ヒトラーが自ら「絶滅戦争」と名付けた、ドイツと旧ソ連との凄惨な戦争は、『独ソ戦』でみごとに描かれているが、その書においても、看護師、医師としてだけでなく、狙撃兵、砲撃兵、通信兵等として戦場に赴いた女性たちには言及されていない。
女性たちがこの世の地獄を見た主戦場は、現在のウクライナ、ベラルーシ、クリミア等であった。再び戦場と化したウクライナでは、少なくない女性たちが戦地にいるが、むかしも今も、戦争はつねに男の側からしか語られない。
数多くの女性たちが語る戦争の真実は、いかなる戦記よりも鮮烈だ。
ソ連では第二次世界大戦で百万人をこえる女性が従軍し、看護婦や軍医としてのみならず兵士として武器を手にして戦った。しかし戦後は世間から白い目で見られ、みずからの戦争体験をひた隠しにしなければならなかった―。五百人以上の従軍女性から聞き取りをおこない戦争の真実を明らかにした、ノーベル文学賞受賞作家のデビュー作で主著!
目次
思い出したくない
お嬢ちゃんたち、まだねんねじゃないか
恐怖の臭いと鞄いっぱいのチョコレート菓子
しきたりと生活
母のところに戻ったのは私一人だけ…
わが家には二つの戦争が同居してるの
受話器は弾丸を発しない
私たちの褒美は小さなメダルだった
お人形とライフル
死について、そして死を前にしたときの驚きについて
ほか
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