粗茶淡飯

中国・台湾・日本のお茶に関する色々。執筆者・徳田志保。

シングルオリジンティーフェスティバル2016

2016-10-11 13:09:59 | 国産紅茶(和紅茶・日本茶)



8日にシングルオリジンティーフェスティバルへ行ってきました。目的は幾つかの任務をこなすためでしたが、その任務の中に国産紅茶のチェックがありました。

午前中に会場入りしましたが、既に沢山の人が入っていました。

毎年手元に来る国産紅茶は除外しつつ、それ以外のものをチェックしながら購入し、回りました。

今年は去年より国産紅茶のテイスティングを
請われることが多いのですが、
このイベントで触れたお茶も含めて感じたことは…

「ここ3年位、ほとんど進歩していない」

です。なぜ!?本当に不思議です。

そしてお茶の淹れ方が…。
国産紅茶の出展者の多くは生産者さんですが、
なぜもこう、淹れ方が雑なのでしょうか?

茶器も、どこもガラスのティーポットばかりが
目につきます。野暮ったい…。
ガラスで淹れると、滋味に深みが出難いのを
ご存知ないのでしょうか?
見た目に捉われない、でも茶農家さんならではの
茶器の選び方も勉強して、模索して欲しい…。

イベントの性格上、売れ行きは良いようですが、
このままだと、長期的に見れば、
ダージリンなどが好きな旧来からの紅茶ファン、
中国茶ファンなどから見捨てられる日も近いかも。



鳳凰単叢のお茶摘み

2016-10-03 17:02:28 | 烏龍茶(中国茶・台湾茶)


さて、この芽、どこから摘むのでしょう?

専門書には一芯二葉とか、色々な言葉が並びますが、実際には現場を見ないと、わからない部分も多いですよね。

2016年の鳳凰単叢、春のお茶摘みさんの工賃は
1日120元だったそうです。(食事、宿舎は雇主が提供。)2015年から据え置きとなっていますが、私がシーズン中に工場に入るようになった2007年は、45〜50元でした。

これだけ人件費が高騰しても、摘み手を集めるのが年々難しくなっています。今後どうなることやら。



最近の色々

2016-10-01 22:50:16 | 国産紅茶(和紅茶・日本茶)



最近は国産紅茶の拝見(テイスティング)を頼まれることが増えてきました。良茶は本当に稀で、ブルーになることも多いです。

でも、渡してくれる生産者さんもあることですし、やめられません。そして、感想を求められる訳なのですが…

例えば、形状がちぎれているお茶を見て、私は
「ちぎったのか?」それとも「ちぎれたのか?」
を見ます。

その一点だけからでも園地、摘採、製造…様々な事象が浮上し、多くの情報をキャッチすることができますので、製造当時の状況は見えてきます。
作り手と言葉を交わせば、その精度は更に高まります。

「美味しい」「美味しくない」「好き」「嫌い」が関係のない世界なのですが、どうしても目に見えない高く厚い壁があるようで、多くの人の視界を遮るようです。

非生産者がこの壁を超えたい場合は、とにかく製造現場の場数を踏み、感覚を養うことだと思います。頭でっかちにならないこと。
生産者の場合は…自身のお茶づくりを見直すしかないでしょうね。ユーザーにそこの判断の指針を求めるのは安易過ぎますし、危険です。

いずれにせよ、拝見はコツを掴むまでは手応えのない、暗中模索の日々が続きます。どれだけ続くかはあなた次第。長〜く長く続く可能性もあります。そしてようやくわかるようになっても、他者から褒められることはほとんどありません。

ただ只管我慢の学びになりますが、頑張ってやれますか?