中学が一緒の友人の話だ
彼は実家のスナックを受け継ぎ、それをBarにしていた
昔から音楽が好きで、特にレゲェが好きだった
スナックの面影を残し、女の子を数名入れていはいたが、3号の場合、客も彼女たちもいない時間に行ってその友人との会話を楽しんでいたのだが、こと、音楽の話になると、とたんに居心地が悪くなる
音楽が好きだけでは、彼は許せないらしい・・・
「3号、レゲェが好きっていっても、歴史を知ってるの?」
「知らないんだったら、簡単に好きだなんて言っちゃいけない」
挙句
「3号にとって、音楽って何?」
との挑戦まで・・・
この会話を今までの常連にはしていたのだろう、店をたたむ頃には常連の姿はすっかり失せ、彼に迎合する若い世代の知った風の若者の客だけになった
そのくせ、
たまたま店をたたむ1週間前に店に行ったとき、閉店の原因は常連客が来なくなったからだと恨み言を言っていた
「最終日は、声掛けようか?」
って、提案すると、今の客層だけでやるから来ないでと拒否!
かつてのバブル時代、我々常連客が給料以上のものを毎月この店に投下し、彼の父親が作った借金を返せていた事を、まったく理解していない台詞だった
店作りの観点から自分の趣味を店に反映するのはいい、でも自分の部屋じゃないんだから、我を出し過ぎて毒を撒き散らしてはいけないと思うのだが、如何なものだろう?
ほんと、彼に伝えたいのは、
「それだけ”解っている”のなら、自分で音楽を演ったらどうなんだ?」
という事。
さぞ心に響き、気持ちをワクワクさせ、聴き手の心に新たなスタートラインを魅せる事が出来るような演奏なのだろう。
因みに、私にとっての音楽は、聴く側が何かを受け取っているだけで充分。
その時、その場で、その時の自分の状態で気持ち良い体験が出来る音楽なら、どんなジャンルでも受け入れるし楽しめる。
以上の話は、今から10年以上前の話だ。
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