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今でも気にする赤の他人

2009年06月04日 16時50分43秒 | 回帰現象・カメラ など

決算棚卸しの処理中なので、過去ネタで・・・

3号が、まだ、純情でいたいけな頃のお話です。

一人旅で九州へ行った時の話の中でも、特に日向港からフェリーに乗って帰る時のお話しをしたいと思います。



パジェロエステートワゴンのガソリンターボという燃費の悪い車のお陰で、手持ちの資金がガス代で30%程消え、帰りのフェリーは、車を載せて56000円位だったでしょうか、お陰でゆっくり帰る事が出来ましたが、27万程の資金の半分以上が交通費になるとは思ってもいませんでした。
帰りの船に乗り、甲板に出て、ふと遠くを見ると、この旅で通って来たであろう道が山の向こうに続いてます。おまけに、綺麗な夕焼けが山の向こうに沈みかけた頃合いだったもんで、ちょいとばかり㍉・・いえいえ、センチになりかけた時、3号の横で紙テープを何本も持ち、口パクで合図している青年に眼が留まりました。 で、その先を辿ると、白いワンピースを着た女の子、仲間の子達が下から紙テープを投げ、上にいる彼が受け取ったらそのテープを渡していました。



G/W中の里帰りだったのでしょう、きっとアッという間に時間が過ぎたに違いありません。 彼は声にはしていませんが下に居る彼女には聴こえているんでしょう、声に出さない会話が続いているのを眺めている一人旅の3号。 初めての九州の旅、唐津、伊万里、長崎と周り、大雨の雲仙岳、ヤクザだらけのフェリー乗り場、5月に霜が降りた阿蘇での野宿、天岩戸で出会ったK君、最後の最後に、この時の3号には経験が無い二人だけの恋の会話、「来て良かったなぁ~」と感慨に耽っていると出航の合図。 残された僅かな時間を無言で見つめあう二人、それを見て目に汗をかきそうなのを、じっと堪える3号。 やがて、岸壁を離れるフェリー。 岸壁ギリギリの所まで出てきても張り詰める紙テープ。 「大丈夫、また逢えるさ」とテープを切るフェリー。 堪りかねて泣き出す彼女。 それを見つめる彼。 その二人を見て羨ましい3号。 



日向港を出て暫らくすると、甲板に出ているのは3号と彼のみ。

声を掛けようと思ったが止めました。

船での別れを選んだのは、他ならぬ彼だから。

彼は、何を思ってこの景色を見つめていたのでしょうか?

20年位経った今でも、目頭を熱くさせる一場面です。

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