8月のある夜のこと 夜中にギャーギャーという鳴き声。こんな山の中にも野良猫さんはいるので、
猫か・・・と思いながら朝になる。でも それはムササビの悲鳴だった。
先月からはじまった家の前の森の伐採。木を切り倒され、巣をなくしたムササビの悲しい泣き声だった。
1万坪の森は、メガソーラーに変わるという。
せめて道沿いの 栗の木や 桜の木は残してほしいと 村役場にかけ合ったけれど、群馬県の許可がでているとかで、
後から植林をすることしかできないと。
この村道は道沿いの自然な木が両側から茂り、緑のトンネルをつくってくれていた場所。まさに こもれびロード だった場所。夏には、ちょうどいい木陰ができて、近隣の別荘に訪れる方の 散歩道でもあった。
子供はこの森の奥の沢で さわがにやヤゴを取りに行ったり、何十年も生きていた栗の木は おいしい栗を落としてくれた。
お店に並ぶ クリスマスリースも この森のツルを編んで作っていた。
朝には 朝もやの中 キツツキの木をたたく音が響き、エゾリスもやってくる。
冬には 山から吹き下ろす つめたい風からも守ってくれた。
この道沿いの木がすっかり切られてしまった日の午後 子供が学校から帰ってきた。
スクールバスを降りるなり、大きな声で小さい子供のようにオイオイと泣いた。何事が起きたかと思うほど・・・
伐採がはじまった日から、子供もまた こんなにもずっと胸がいたかったのだと・・・
こんなにも この森といっしょに生きてきたんだ・・・と改めて思いました。
なんの抵抗もできないまま、とうとう 森はなくなりました。
自給のためではない、この太陽光発電は エコと言えるのでしょうか・・・
国のレベルで なんらかのルールを作らなければ、日本各地で機械的なパネルが立ち並び
隣接する人間の生活も、自然の生態もかわってしまいます。
この胸の痛みは 今も毎日続いています・・・