08/09/15 リーマン(米証券4位) 破産法(Chapter 11)の適用を申請して経営破たんへ(負債総額6130億ドル)。北米の投資銀行業務(資産720億ドル 負債680億ドル)は英バークレイズ(08/06/25 三井住友が5億ポンド約1050億円出資をすると発表)が買収。17億5000万ドル(1800億円)で。→リーマンの円建て外債1950億円が債務不履行になった
08/09/15 バンカメ(預金量で全米1位) メリルリンチ(米証券3位 08/01 みずほコーポがメリルリンチに12億ドル:1400億円優先株に出資 メリルは07/12に62億㌦増資:テマセク44億ドル、デービス・セレクテッド・アドバイザース12億ドル。08/01に66億ドルの追加増資:韓国投資公社とクエート投資庁が各20億ドル、みずほコーポが12億ドル。)の買収を発表(取得対価500億ドル) 買収完了予定09/03 合わせた総資産は2兆7000億ドル(シティGの2兆1000億ドルを抜く) バンカメは世界で株式引受8位、債券引受10位から、両方とも5位のメリルを買収することで株式引受と債券引受の両分野で一挙に世界トップに。
08/09/16 AIG(自己資本775億ドルだが4500億ドルものCDSを用いた金融保証を行っている) 格下げにより2000億ドルの追加担保差し入れに追い込まれる。
08/09/16夜 米政府 米FRB AIGに最大850億ドルの緊急融資 見返りに同社に79.9%の株式を取得できる権利を政府が保有 2年間の時限措置
08/09/21 FRB モルガンスタンレーとゴールドマンサックスの銀行持ち株会社設立を承認
08/09/22 三菱UFJFG 米モルガンスタンレー(07/12 中国の政府系ファンドから50億ドルの出資受け入れるも市場不安解消されず株価急落 合併観測流れていた)に最大20%出資(出資額9000億円規模)発表
08/09/22 野村証券 リーマンのアジア太平洋部門(従業員3000人強 直近の半年の営業収益14億ドル)買収でリーマンと基本合意を発表。買収金額200億円強。
08/09/23 野村証券 リーマンの欧州・中東の主要事業買収で基本合意を発表。買収金額数百億円。
08/09/23 ゴールドマンサックス 75億ドル以上の増資を発表 バークシャーハザウェイが優先株50億ドル引受(10%相当の配当 今後5年間に50億ドル相当の普通株購入権利 行使価格125ドルで)残りは公募増資 → その後、普通株増資50億ドルに引き上げ100億ドル集める(1986年に旧住友が5億ドルを出資 その後解消 03年には三井住友が1500億円の優先株出資を受けた三井住友は要請あれば出資の構えだった)
08/09/25 夕刻 ワシントンミューチュアル(預金量全米6位 貯蓄金融機関最大手 総資産3070億ドル 預金量1880億ドル 4月に70億ドル増資)経営破たん JPモルガンチェース(預金量で全米1位 2008/03 米証券5位のベアスターンズを救済合併 300億ドルの不良資産買い取り NY連銀が290億ドルの資金を融資)が19億ドルで即日買収、全預金引き継ぐ JPモルガンは公募増資で普通株80億ドル発行
08/09/26 JPモルガンチェース 公募増資額を100億ドルに増額
08/09/29 ワコビア(米預金量4位)の銀行業をシテイG(同3位)が救済買収。ワコビアは06年にS&L2位のゴールデンウエストファイナンシャル買収で損失抱える。シティは普通株100億ドル増資 21億ドルをワコビアに払う。 ローン債権3120億ドルから発生する損失を420億ドルまで負担し、それを超えた分はFDICが負担する損失負担契約をFDICと結ぶ。FDICは見返りにシティの優先株と株式購入権をあわせて120億ドル分購入する。合併後 シティは預金量で全米首位になる(1兆2000億ドル規模)。
08/09/29 三菱UFJG(08/08/29-08/09/26 3800億円かけて65%保有の連結子会社ユニオンバンカルコーポの完全子会社に向けたTOBを実施) モルガンスタンレーに90億ドル出資へ 優先株30億ドル 普通株60億ドル 優先株を普通株に転換した場合の出資比率21%
08/09/30 三菱UFJG 出資比率 普通株30億ドルに土壇場で変更(見苦しいが賢明な変更 通常であれば困っている企業への出資で普通株は出さない)
08/09/30 シティが日本で円建て外債を発行を延期(募集10日から29日 3150億円 年3.22% 発行予定9月30日)。7月発行分と合わせ5000億円を日本でいずれも個人相手に調達。欧米市場と機関投資家を避けて募集。→発行を強行すれば批判免れなかった。この時期に、財務状況の判断力がない個人投資家相手の販売を計画したこと。事態の急変後も投資家への説明だけで発行を強行する姿勢を続けたこと。いずれも個人投資家の観点からは問題が残る。
08/10/03 ワコビアの全部門をウエルズファーゴに買収させることに変更。FDICも承認。買収額151億ドル。総資産規模1兆4210億ドルの巨大銀行誕生へ。多額のサブプライム関連損失を抱えるシティの拡大戦略挫折。
08/10/06 シティとワコビア 双方が訴訟の中止で合意 FRBの仲裁
08/10/09 シティG ワコビアとの経営買収を断念。ワコビアとウエルズファーゴに600億ドルの損害賠償求めると発表。
欧州
08/08/31 保険最大手アリアンツ 傘下のドレスナー銀行(サブプライム関連損失で営業赤字)をコメルツ銀行に売却で合意 買収額98億ユーロ(1兆4600億円) 合併後の資産規模 ドイツ銀行に迫る
08/09/12 ドイツ銀行(投資銀行部門で不良債権膨らむ 多額のCDOを保有していたが2007秋に一気に圧縮 危機をのりきる)がポスト銀行に29%出資へ
08/09/18 ロイズTSBが経営不安に陥った英銀HBOS(2001 住宅大手ハリファックスとスコットランド銀行の合併により誕生 総資産6810億ポンド)を救済合併 買収総額122億ポンド(2兆3000億円) 買収後の総資産1兆500億ポンド(200兆円) イギリス最大の金融機関誕生
08/09/29 ベネルクス3国政府 フォルティスに資本注入112億ユーロ。アイスランド政府、グリトニルの株式75%買取、政府管理下に国有化6億ユーロ。
08/09/29 イギリス政府 経営不安にある中堅銀行ブラッドフォードビングレーを一時国有化 預金や支店はアビーナショナルに移す 金融界が140億ポンド 政府が40億ポンド拠出
08/09/30 デクシアがベネルクス3国およびフランス政府などから資本注入64億ユーロ。
08/09/30 アイルランド政府 2年間の緊急措置として国内6つの銀行の預金と社債を全額保護すると発表(その後 英国の銀行から預金流出を招く)
08/10/03 ベネルクス3国政府 フォルティスオランダ部門の100%オランダ政府国有化(買取を)発表。168億ユーロ(2兆4000億円)
08/10/03 イギリスFSA 銀行が破たんした場合の政府が保護する預金の上限額を3万5000ポンド(650万円)から5万ポンド(930万円)に引き上げると発表
08/10/05 ドイツ政府 国内の個人預金を全額保護する方針を表明
08/10/05夜 ドイツ政府と銀行団 ヒポ・レアルエステートへの資金支援額を150億ユーロ増やして500億ユーロで合意
08/10/06 ベルギー政府 国内預金の全額保護を発表
08/10/06 ベルギー政府 フォルティスのオランダ部門以外をフランスのBNPパリバが買収すると発表
08/10/06 NYダウ一時一万ドル台割れ。2004年10月以来4年半ぶり。円は一時100円台。NY原油先物は一時88ドル台。
08/10/07 ドイツ ヒポ・レアルエステート社長が辞任
08/10/09 オランダ政府・中央銀行 総額200億ユーロの金融支援基金設立
08/10/13 イギリス政府 RBS HBOS TSBの大手3行の自己資本増強のため合計370億ポンド(6兆7000億円)。バークレイズは既存株主から65億ポンドの自己資本を調達
08/10/16 スイス政府 UBSに政府が60億スイスフランの公的資金を資本注入とともに600億ドルの不良資産をスイス国立銀行が基金を通じて引き取る UBS銀行(富裕層ビジネスで定評 投資銀行部門を拡充して損失招く 最優先格付けCDOの高水準保有を続ける失策を犯し評価損拡大を繰り返す)多額の損失で経営再編不可避
08/10/19夜 オランダ政府 大手INGに100億ユーロ注入 年8.5%の特別証券 取締役会に2人の代表送る
08/10/21 ドイツのバイエルン州立銀行が公的資金による資本増強の申請を決定 54億ユーロ(7020億円)
集中講義:サブプライム問題
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