Entrance for Studies in Finance

アルゴリズムと株価暴落

 2010年5月6日のNYでの株価暴落をめぐって、誤注文説とアルゴリズム取引説とがでている。午後2時30分から20分で600ドル超下落し(7分ほどで前週比998ドル安)、その後、下げ幅を縮小した(午後3時に463ドル安)。millionをbillionとしたというのが誤注文説。その後は自動取引システムから損失回避の売り注文が殺到したとする。しかしアルゴリズムが被害を拡大したのだろうか。また実際に投資家は、自動システムに任せきりなのだろうか。実際には、異常な価格変動時には、システムを止める判断がなされることも多い。それは取引が取引所の判断で解消されるリスクが知られているからだ。
 5月18日に発表されたSECとCFTC(商品先物取引委員会)の共同調査結果(初期調査)
 株価指数先物への売りが引き金になり、取引所間の乱れが株安を加速させた。
 6つの仮説⇒複合要因を示唆。
 CMEに上場するS&P500ミニ先物が午後2時30分過ぎから下げを主導 先物指数急落 現物株に波及(という可能性)
 NYSEで株安の一部銘柄で電子取引中断 取引制限のないナスダックなどで売り注文が流れ集中 株安が加速(という可能性)
 値付け業者が異変を察知して売買注文を差し止め、流動性が枯渇 売り注文だけが残り下げを助長
 損失回避のための投資家の大量の売り注文、買い手不在のなかで異常な安値での指値での買い注文が約定。上場投信の下げも顕著。
 市場間の競争の反面、サーキットブレーカーなどの共通ルールの整備が遅れた面がある。
 市場の主体となった機関投資家が長期的な視点でファンダメンタル投資をするのでなく、短期的な投資をくりかえすようになると、売買の短期化が一層進展する。
 日本の市場については、日本の投資家、投資家、年金などはファンダメンタル。そのため日本株に割安感ないとして買いに入らず。相場を主導するのはCTAcomodity trading advisorなどの外国人の短期筋(さまざまな先物を組み合わせて売買)だとされている。

株価下落の犯人 NewsWeek, May 10, 2010 モメンタム戦略momentum investing(順張り)*⇔contorarian investing(逆張り)  順張り⇔逆張り(さかばり)  アルゴリズム取引
instinet

momentum モメンタムは辞書では衝動といった訳語がふられる。
investopediaはthe rate of acceleration of the price or volume of a securityとする。
アルゴリズムを使った投資が、ファンダメンタル型の投資ではなく、今後の値動きを瞬時に(ただし統計学的あるいは確率論的に)予測する手法にしていることがここでのポイントである。

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