三菱日立パワーシステムズ(MHPS 本社横浜)2014年2月1日発足 2月3日営業開始
国内9社 海外49社 内外58社 総人員2万3000人
火力発電新会社は 三菱重工65% 日立35% 会計上は三菱の子会社 日立の持ち分法適用会社
日立の部門収益(営業利益)を三菱が取り込む形
純利益段階では日立の出資分の利益が差し引かれる
他方 純利益は 日立の出資分の持ち分法投資利益が日立に帰属
これは日本(および米国)の会計基準では当期利益について持分法を適用しているため。
日立は中小型 三菱は大型を得意とする フルラインで顧客開拓 世界のトップであるGE シーメンスに対抗する
火力発電の力関係はGE>シーメンス>三菱日立連合
GEによるアルストム買収発表
→ GE(エネルギー部門売上高約5兆円)がフランスアルストム(エネルギー部門 車両部門など2兆円規模)のエネルギー部門(火力発電 再生可能エネルギー 送電 売上高規模2兆円強 欧州・新興国に展開)を169億ドル(1兆7000億円)で現金買収を発表 1000人の雇用の創出を約束。2014年4月末 → 買収が成功すると 三菱日立は再び突き放される たとえば三菱のエネルギー分野の規模の5.6倍。火力発電だけで年商3兆円規模 ガスタービンで世界の5割のシェアをもつ 巨大会社出現へ
アルストム エネルギー部門切り離し 輸送部門は上場へ
5月中旬 フランス政府は外国企業が企業の議決権を3分之1を超えて取得する際、政府の事前許可が必要な分野を、防衛・安全保障分野に加えてエネルギー、水、健康、通信といった分野を加える。
他方 フランス政府が雇用の観点から外資による買収に懸念表明(GEは雇用の維持を約束)
→ シーメンス(エネルギ部門は3兆5000億円規模)が対抗する買収案提案(エネルギ―部門を買収+鉄道部門をアルストムに売却 事業交換方式)
→ シーメンスがロールスロイスのエネルギー部門を169億ポンドで買収へ
三菱重工(宮永俊一社長:製鉄機械畑 2000年には日立と製鉄機械を統合を実現) シーメンス(ジョー・ケーザー社長) 製鉄機械事業の統合(この部門で世界首位) 2014年5月7日
→ シーメンスは三菱重工(ー日立)と組んでアルストムのエネルギー部門買収再提案(GEの巨大化阻止)
シーメンス:アルストムノガスタービン事業の買収を画策+三菱は火力発電と蒸気タービン事業買収を狙う
GE案については弱体化による雇用喪失懸念 シーメンス+三菱の提案についてはアルストム解体につながる懸念
2014/06/12 シーメンスによる買収は三菱重工と組んでも難航(ロイター)
フランス政府の対応が焦点(フランス政府はアルストムの解体 弱体化を懸念)
2014/06/15 シーメンスと三菱重工が共同提案(ロイター) この報道によるとアルストムをシーメンスと三菱重工が分割して引き受ける提案にように受け取れる。合弁会社設立で買収に警戒的なフランス政府には乗りやすいはず(三菱出資比率は 原子力で4割 送配電で2割 水力発電で2割)。
2014/06/16 GE 170億ドルの買収提案堅持(ブルームバーグ) フランス政府は両者を争わせて好条件を引き出したいのだが、GEは買収コストの引き上げにつながるのでその争いになることを警戒しているようだ。
2014年6月19日 GEはフランス政府に譲歩して 一括買収案に代えて送配電、再生可能エネルギー、原子力の3つの分野でアルストムと折半出資の会社を設立する案を提案+重大事項にフランス政府拒否権与える(黄金株与える)。またGEの鉄道信号ビジネスをアムストルムに譲渡する。ガスタービン事業はアムストルムがGEに売却。23日までに回答。(原子力事業で折半出資 合弁会社設立かつフランス政府に拒否権)
2014年6月20日 オランド大統領 GE シーメンス三菱重工幹部と会談
2014年6月20日 フランス政府がGE案支持を表明。+フランス政府のすべての要求を満たしていないとも明言(フランス政府は最大株主から最大20%の株を取得して関与を強める方針 GEはフランス政府による経営へのコントロールを実質了承 シーメンス―三菱は買収金額を引き上げたが及ばなかった)。シーメンス案について欧州委員会の規定と不調和と指摘。三菱重工は追加提案諦める(敗退)
なお日立と三菱重工は火力発電事業を統合(7800億円+1兆2500億円 2014年2月)。日立は原子力発電でGEと提携。三菱はフランスアレバと提携(2006年10月)。三菱は高効率火力発電ではGEと提携関係。
アルストムはカナダのボンバルデイア、シーメンスと並ぶ鉄道会社 売上8000億円規模。ここにGEの6億ユーロ(800億円)規模の鉄道信号事業が加わる。
GEは今後インダストリアルインターネット(発電設備や航空機にセンサーやソフトを組み込み、稼働時のデータを収集分析して最適な稼働法を提供。部品交換を促したり。収益性の高いサービスに結びつける)を全世界規模で展開。アムストム:欧州 アフリカ 中近東に顧客基盤。
2014-06-17
2014-07-07更新
ビジネスモデル 経営戦略
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