新築のマンションを購入すると、一戸部分と土地の持ち分を所有することとなり、それぞれに固定資産税が課されます。
新築のマンションの固定資産税は高くなりがちですが、一定の条件を満たす物件を購入すれば「新築された住宅に対する固定資産税の減額」が適用され、一戸部分にかかる固定資産税が5年にわたり2分の1などに減額されます。
新築のマンションに「新築された住宅に対する固定資産税の減額」が適用される条件をわかりやすく簡単にご紹介しましょう。
専有部分が50㎡以上250㎡程度以下の新築のマンションを購入する
「新築された住宅に対する固定資産税の減額」の適用条件は至ってシンプルであり、以下の2つを満たせば適用されます。
- 令和6年3月31日までに新築されたマンションを購入した
- 「取得した専有部分の面積」と「そのマンションの共用部分の面積に占める、取得した専有部分の面積の割合」の合計が、50㎡以上280㎡以下の新築のマンションを購入した
上記の1つめの条件は、期限さえ守れば簡単に満たせます。
2つめの条件が難解ですが、戸内の床面積が50㎡以上250㎡程度以下の一般的なファミリー向けマンションを購入すれば満たせるとお考えください。
反対に、床面積が50㎡に満たないワンルームマンションや、250㎡を超える超高級マンションを購入した場合は、「新築された住宅に対する固定資産税の減額」の適用条件を満たすことは難しくなります。
購入を希望する新築のマンションが2つめの条件を満たすか正確に検証するためには、その物件の以下の3つのデータを揃える必要があります。
- そのマンション全体の専有部分の面積
- 購入することにより取得する専有部分の面積
- そのマンションの共用部分の面積
1の「そのマンション全体の専有部分の面積」とは、そのマンションの全戸の床面積のうち、バルコニーを除く面積の合計です。
2の「購入することにより取得する専有部分の面積」とは、購入する一戸部分の床面積のうち、バルコニーを除く面積です。
3の「そのマンションの共用部分の面積」とは、購入するマンションのエントランス、廊下、エレベーターホール、階段などの面積の合計です。
以上の3つのデータが揃えば、「そのマンション全体の専有部分の面積」に占める、「購入することにより取得する専有部分の面積」の割合を求めます。
たとえば、「そのマンション全体の専有部分の面積」が5,000㎡、「購入することにより取得する専有部分の面積」が50㎡であれば以下のように計算し、その答えは1%です。
50㎡÷5,000㎡×100=1%
これ以降上記の答えを「A%」と呼びます。
つぎに、「そのマンションの共用部分の面積」のA%を計算します。
例を挙げると、「そのマンションの共用部分の面積」が1,000㎡であり、A%が1%であれば以下のように計算し、その答えは10㎡です。
1,000㎡(そのマンションの共用部分の面積)×1%(A%)=10㎡
これ以降上記の答えを「B㎡」と呼びます。
最後に、B㎡と「購入することにより取得する専有部分の面積」を合計します。
計算例を挙げると、B㎡が10㎡、「購入することにより取得する専有部分の面積」が50㎡であれば以下のように計算し、その答えは60㎡です。
10㎡(B㎡)+50㎡(購入することにより取得する専有部分の面積)=60㎡
上記の答えが50㎡以上280㎡以下の新築のマンションを、令和6年3月31日までに購入すれば「新築された住宅に対する固定資産税の減額」が適用され、一戸部分にかかる固定資産税が5年にわたり2分の1などに減額されます。
計算方法は難解ですが、要は「ワンルームマンションなどではない庶民的な新築のファミリーマンションを購入すれば、一戸部分にかかる固定資産税が5年間安くなる」とお考えください。
そして、条件を満たす新築のマンションを購入すれば、原則として申告をせずとも減額措置が適用され、放っておいても一戸部分の固定資産税が減額されます。
新築のマンションの固定資産税が減額される条件は、私が運営するサイト「固定資産税をパパッと解説」で公開するコンテンツ「新築マンションの固定資産税が安くなる3つの軽減措置」にて詳しくご説明中です。
同コンテンツでは、今回ご紹介した「新築された住宅に対する固定資産税の減額」に加え、「住宅用地に対する固定資産税の課税標準の特例」と「住宅用地等に対する都市計画税の課税標準の特例」という減額措置もご紹介しています。
新築のマンションの購入を希望し、固定資産税が減額される条件にご興味のある方がいらっしゃいましたら、ぜひご覧ください。
それではまた次回の更新でお会いしましょう。不動産のあいうえおでした。