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太る原因

2020-02-27 07:40:00 | ダイエット
今回は"太る原因"についてのお勉強です




「人が太る原因」というのは、実はまだ分かっていません。 研究によってわかっているのは、枝葉末節的な端っこの部分ばかりであり、本体の部分、つまり根本的な理由はまったくというほど分からないのです。
研究による新たな発見は「モグラ叩き」と似ていて、こちら叩けばアチラが、そんな感じで根本的、総合的な因子究明はかえって遠のいているような感じさえあります。
したがって、「これまでに分かっている、人が太る原因」というのが正確な表現になります。


【太る原因~栄養の問題】

三大栄養素のうち、タンパク質を除外した脂肪と糖質の過剰が肥満を招き寄せています。

① 白色脂肪細胞
脂質や糖質は、摂取すると優れたエネルギー源になりますが、そのエネルギーを消化しきれない場合、多くが中性脂肪となって体内に際限なく蓄積されることになります。これが典型的な肥満です。
糖分は脂肪酸に変化し、脂質は脂肪酸から中性脂肪(グリセロール)になって、体内に溜まっていくのです。
これは、中性脂肪が長期保存が可能なエネルギー源であるからで、カラダは遺伝的に飢餓に備えるように出来ているため、いくらでも「貯蔵」しようとしてしまうからだと考えられています。
脂肪は皮下と内臓に蓄積(皮下脂肪・内臓脂肪)されますが、それは核を中性脂肪(脂肪滴)で満たされた細胞の集まりです。
この細胞を「脂肪細胞」といい、白色脂肪細胞(単胞性脂肪細胞)と褐色脂肪細胞(多胞性脂肪細胞)の2種類が知られています。
褐色脂肪細胞の方は脂肪のエネルギー代謝を促すいわゆる「善玉脂肪」なのであまり問題はないとみられています。褐色というのはエネルギーを生成するミトコンドリアが多数存在し、多くの酸素を必要とするため鉄を含んでいて、それが褐色にみえることからです。
際限なく蓄積していくのは白色脂肪細胞の方。「脂肪細胞」とは主に白色を指す言葉で、ヒトの体内に300億個ほど存在しています。

前駆脂肪細胞
 ↓
成熟脂肪細胞
 ↓
高カロリーの食事&運動不足
 ↓
褐色(善玉)脂肪の機能低下
 ↓
脂肪蓄積の限界(溜め込み限度)
 ↓
脂肪細胞の肥大化と分裂増殖
 ↓
肥満

前駆脂肪細胞は生まれたての赤ちゃんの頃から体内に存在しており、適度な刺激(過食)によって簡単に増加成熟します。
つまり、幼児の頃から肥満は準備されており、親が不注意だと小学低学年から肥満になってしまうのです。
また、この頃に「溜め込む体質」になってしまうと、大人になって肥満を改善するのは難しくなり、それこそ胃切除や脂肪摘出しか方法がないという状態になる可能性が高まります。

② 甘い食べ物
上の脂肪=肥満のところで、「高カロリーの食事」というのが出てきましたが、具体的には何を意味するのでしょうか。
肥満が深刻な欧米では、長い間「やはり脂肪を食うのが原因だろう」と考えられていて、真剣に対策した結果、かなり食べ物の脂質を減らすことに成功しました。
ところが、肥満がまったく減らないのです。
減るどころか、増加する一方なのです。
(禁煙と肺ガンの関係に似ていますね)
そこで、徹底的に調査研究をすすめたところ、もっとも怪しいのは「高GI値の食品」だということが分かってきました。
高GI値の食品とは、簡単にいえば「甘いもの」です。
正確には血糖値を上昇させやすい食べ物のことですが、そのほとんどが糖質であり、「人が好む甘さ」を持っている食品です。

ある調査研究によると、太りやすい食品類の上位をすべて甘い食べ物が占める結果となり、1位から5位まではすべて炭水化物という結果になったそうです。



1位は精白された小麦粉で作ったパン類ですが、これにジャムやハチミツなどを塗りますので、やはり「甘いもの」となります。

ちなみに、女性の場合はなぜか糖質より脂質の方が太りやすいという傾向が見られたようでが、これは男女の体格差とか運動量とかに因る代謝の差などがあるのかも知れません。



この調査でも、太りやすい食品の順位と、血糖値が上昇しやすい食品GI値は、見事なまでに一致していました。
近年はさらに研究が進み、甘いものは肥満だけではなく生活習慣病のほとんど全てに関与しているのではないか、また脳活動へも悪影響を与えているのではないか、そうした疑念が研究によって裏付けられるケースが増えています。

糖質や脂肪は、カラダにとって、脳にとって、必要不可欠の栄養分でもあり、良いこともすれば悪いこともする両面性を持っています。「善玉・悪玉」と単純に区別できるようなものではなく、その複雑な機構はまだまだ未解明なままです。

こうしたものがある程度「必要悪」だとしても、血糖値を急上昇させる食べ物には何らかの「必要性」があるのでしょうか? 今のところ「まったくない」と断言してもよいでしょう。
必要としているのは「甘くて美味しいものを食べたい」という人間の嗜好のみです。
ここをコントロールできるかどうかが、肥満の分かれ道になるのではないでしょうか。

【遺伝やその他の要因】



肥満遺伝子
病気の多くは生活習慣で起きる後天性のものと、遺伝による先天的なもの、両方の因子をもち、どちらかが原因となって発症します。肥満もまた例外ではなく、なんらかの「肥満遺伝子」が存在するとみられています。
どんなに食べても決して太らない人も存在しますし、いくら食事制限してもなかなか痩せない人などがいて、それらは肥満遺伝子を想定しないと説明できないのです。

また、太りやすい遺伝子というより「痩せにくい遺伝子」らしきものが発見されていて、これは日本人に多く、人口の2割くらいは該当するだろうといわれます。おそらく穀物を主食にしてきたことなどが要因なのでしょうが、これは体質なのか遺伝子なのかまだ曖昧な点があり、さらなる研究が待たれるところです。

※特異的な例外もあるし、たんに胃酸の分泌が悪かったり、消化機能が具合悪かったり(この場合、今は痩せていても中年すぎると急激に太ることが多い。典型的な痩せの大食いですね)
こうした例外と遺伝子因子を区別するのは難しいことで、肥満遺伝子の研究はあまり進展していないのが現状です

自律神経の異常
グリセミック指数の研究と同じような理由(肥満がぜんぜん減らない)で、同じような時期に、ある研究者が副交感神経と肥満の関係を研究して、その結果を公表しました。

血圧調整、呼吸、睡眠、そして食欲などをコントロールする自律神経には、交感神経と副交感神経の2種があります。 交感神経は主に「ストレスへの抵抗」を任務にし、心臓をバクバクさせたりする警戒モードを作り出し、副交感神経は逆に心臓の鼓動を遅くさせる安静モードに関わります。

研究者によれば、肥満の人は明らかに交感神経の機能が低下していたそうです。確かに交感神経の働きには食欲を制限するというものがあります。
肥満になると血液を体中に循環させるのがしんどい仕事になりますから血圧が高くなり、交感神経は異常緊張の状態になっている筈です。肥満の原因か、肥満になったからか、「どちらが先か」をはっきりさせるのは難しいことだと思います。

いずれにしても、糖尿病と血糖値の関係に似ていて、交感神経と副交感神経のスイッチもあまり急激かつ頻繁だと、やはり良くないのでしょう。

「どちらが先か」というのは、肥満と糖尿病の関係を思わせもします。グリセミック指数、血糖値の激しい上下動、糖尿病、肥満、自律神経の疲弊、こうしたものはおそらく密接に関連しているのではないでしょうか。

●交感神経の食欲抑制メカニズム
・交感神経=満腹中枢
・副交感神経=空腹中枢

食事
 ↓
脂肪がレプチン(ホルモン)を分泌
 ↓
レプチン
 ↓
満腹中枢を刺激
 ↓
交感神経の満腹中枢がスイッチオン
 ↓
副交感神経の空腹中枢をOFF
 ↓
満腹感が勝利して食欲を失う

副交感神経の摂食中枢(空腹感を感じ食べたくなるサインを発する)が抑制されて食欲を失うと、交感神経中枢は「脂肪の分解を促す」伝達物質も分泌します。

この伝達物質を、脂肪細胞のレセプターが無事に受け取ると、脂肪分解酵素が働き出して脂肪が分解されます。 また、この伝達物質は褐色脂肪細胞にも働きかけて熱を発生させることもします。
つまり、交感神経およびレプチンは、食欲をおさえると同時に脂肪の燃焼を促すという仕事をしているわけです。そして、この機能が低下している人は肥満になりやすいということですね。

食欲をなくす効果が確認されているレプチンですが、このレプチンから「もしかしたら本物のやせ薬ができるのでは」と期待されてもいます。しかし複雑すぎて未解明な部分が多く、出来たとしても、おそらくエフェドラやフェンフルラミン等と同じように、多くの副作用を招いてしまうでしょう。

生活習慣(運動不足)と食事内容
早朝に起き、満員電車でへとへとになりながら仕事に行き、終電でぐったりして帰宅する。あるいは、昼過ぎに起きて深夜、明け方まで勤務する。
いずれにしても、仕事が中心にならざるを得ない人生を過ごすしかないのが日本サラリーマンの偽らざる姿だといえましょう。



忙しすぎて、または関心がなくて、自分の体調管理に気をつけるという発想自体が欠けていても仕方がないのかも知れません。

主婦や定年後の男性、無職の男女、こうした「自宅族」はどうか。こちらの方では「運動不足」が深刻であり、やはり体調管理はできていない人が多いようです。



前者の方は「外食」および「夜食」が多くなり、後者の方は「間食」が多くなってしまう。つまり、生活習慣がそのまま食事内容につながっているということです。

前者は仕事や人間関係のストレスによって、後者は逆に適度なストレスが得られないある種の「手持ちぶたさ・弛緩」によって、どちらにしても、知らず知らず甘くて油っこい、濃い味の食べ物を選んでしまいがち。このへんに現代病の影があるのでしょう。

まず生活習慣にめりはりをつけないと、食事内容を変えることは出来ない場合が多い、というか、ほぼ絶対に改善できません。
ある種の「ストイックさ」を持たないと生活習慣は変えられず、それは同時に食事内容も変えられないということです。
仕事族は忙しい合間をぬって早朝のジョギングを日課にし、外食を極力控え、できるだけ自宅で食事をする。
自宅族は思い切って間食をゼロにしてしまい、夕方に1時間のウォーキングを日課にする。
こうしたことは、実際にやってみればなんでもない事なのですが、やはりある程度のストイックさを伴う「決意」をもって始めないと、ほとんどの場合長続きはしないものです。
ストイックさを持つコツは、大げさな一大決心のような強い心構えをしないことです。スッと自然な形で変えてしまい、心を平静に保ったまま特に気張らない。大袈裟に気負わないのが継続させる秘訣と言えるんじゃないでしょうか。







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