【火事場の馬鹿力の出し方】 さて、やることは上記の通り簡単なのですが、実は体に”筋肥大が必要だ”とのメッセージが入る、本当のフルパワーを出すというのはとても難しい作業なんです。
日常的な力の出し方では、中々体は危機だと思ってくれませんから。
そこで重要になるのが、“火事場の馬鹿力”です。これを出せるようになると、一発で体に筋肉を増やさなければならない環境だというメッセージが入ります。
正しいトレーニングをしているのに中々筋肉が増えなという人は、大抵これが出来ていません。
以下、火事場の馬鹿力を出すコツ
1,声を出す
オリンピックで砲丸投げの選手などが投げる時に声を出すのは、最大の力を出すためです。声を出すことで火事場の馬鹿力が出やすくなるのですね。
ちなみに女性に自宅でのトレーニングを勧めたのは、声を出しやすくするためなんです。
日本の女性は奥ゆかしいので、人がたくさん居るトレーニングジムでなかなか大きな声を出すことは出来ないでしょう。でも自宅なら安心。思いっきり声を出してみてください
きっともっと力が出るでしょう。
2,マインドセットを変える
腕立て伏せを例に解説しましょう。
腕立て伏せで「体を持ち上げよう」と思っているだけでは、出せる力はたかが知れています。
もし「これ以上持ち上がらない」と思った時に次のように考えてみてください。
レベル1:
体を持ち上げるのではなく、手をとにかく伸ばそうという発想に切り替える。
そう切り替えた途端に、ヒュンと軽く体が持ち上がることでしょう。
これは正確には火事場の馬鹿力というより、体を持ち上げるのを邪魔する方向の筋肉、例えば上腕二頭筋などの力を抜いて、純粋に持ち上げるのに必要な筋肉だけにフォーカスするためのテクニックです。
これをすることで目的の筋肉だけに最大の負荷がかかり、より大きな刺激が筋肉に入ります。
レベル2:
次のステップは、更にこれに火事場の馬鹿力を加えます。
今度は体を持ち上げるのではなく、こう考えてください。
あなたは一人で歩く夜道で変質者に前から抱きつかれました。あなたはその大男の胸(床)に両腕を当てて突き放して逃げようとしています。今すぐ突き飛ばして逃げないと襲われて殺されます!
その状態を強くリアルにイメージしてみてください。きっと、別次元の力が出るはずです。声なんてきっと自然に出ていることでしょう。これが本当の、火事場の馬鹿力です。
このテクニックは腕立て伏せ以外の種目でもイメージは同様です。コツを掴めば、火事場の馬鹿力はこの様なイメージをせずにも自在に出せるようになるでしょう。
ただし出し過ぎには注意して下さいね。体がこの力を普段封印しているのには意味が有るのですから。ここ一発で出したら、すぐに3日以上の休養が必要です。また怪我にも十分注意してください。
(高齢者や高血圧の方は体にかかる負担が増えるとリスクが高いので、息を吐くことを忘れないようにして、負荷も控えめにして下さいね。負荷が低くても加速度的に上げることで効果は得られます)
さて、膝をつく腕立て伏せが膝のポジションを上げてあるレベルまで出来るようになったら、普通の腕立て伏せにチャレンジしてみてください。
もしも正しい姿勢の腕立て伏せが10回以上出来るようになったら、更に筋肉を増やすためにはそろそろジムに通わないといけない時期でしょう。
ジムに行ったら、腕立て伏せの代わりにベンチプレスにチャレンジして下さいね。これが腕立て伏せと同じ筋肉を使いますから。
大胸筋の他にも、更に大きな筋肉である大腿筋(太もも)を鍛えるためには、スクワットが有効です。
ただ自分の体重を使うだけでは女性でも負荷が軽すぎるでしょう。
スクワットは何とかギリギリ10回出来る程きつくはないですよね?
よって自宅で行うスクワットでは、両手にダンベルなどの重量物を持つのがお勧めです。
ダンベルを持っていない方は、重い荷物でも良いでしょう。取り敢えず、スクワットを10回やるのがギリギリで辛いレベルの負荷を与えてみてください。
(または殆どできる人はいないと思いますが、片足スクワットなんてのも一応あります……)
それ以外の方法で私が女性に勧めるのが、階段ダッシュです。
これはやり方によっては、スクワットよりも大きな負荷を与えることが出来ます。
まず階段を登るときは、片足ずつ伸ばすので、大腿筋に大きな負荷を与えることが出来ます。
ただしこの時にゆっくり登っていては有酸素運動になってしまうので、出来る限りのスピードでダッシュすることが重要です。時間は10秒以内を目安としてください。
少し難しい話になりますが、力というのは加速度に比例します。
例えば体重が50Kgの人がゆっくり階段を登れば、足に掛かる力は体重のまま50Kgfです。
ですが足を伸ばす速さを上げて行き、仮に重力と同じ加速である1Gで伸ばすことが出来れば、実際には100Kgf。つまり、体重が100Kgの人がゆっくり階段を登るのと同じ力を掛けることが出来るのです!
ぜひ、敵から逃げるようなイメージで火事場の馬鹿力を出して、階段ダッシュで限界までスピードを上げてみてください。きっと大腿筋を太くすることが出来ると思います。
次にこれも大きな筋肉である背筋ですが、これは重いものを持ち上げることで鍛えることが出来ます。
ただ単に腰を伸ばす動作だけで背筋は鍛えることが出来るので、これは比較的簡単でしょう。
これも限界まで重いものを持ち上げるのが最も効果的ですが、くれぐれも腰を傷めないように気をつけてくださいね。また腰が悪い方がどうしても行うのなら、コルセット等を使うか負荷を軽くして下さいね。
(治るまで腰を使うトレーニングは避けるのが基本です)
さて、女性はなかなかトレーニングジムに行くのに抵抗がある人が多いので、家でもできるトレーニングを紹介しました。ですが、本気で脂肪を落とそうと思ったら、やはりジムに行くことをお勧めします。
その方が遥かに手っ取り早いですからねっ。
ジムに行ったら、ベンチプレスで大胸筋と上腕三頭筋を、バーベルを担いだスクワットで大腿筋を、デッドリフトで背筋を鍛えることが出来ます。これらはビッグスリーと呼ばれる超メジャーなトレーニングなので、詳しいやり方についてはネットなどで調べて見て下さいね。