「FA人的補償での移籍拒否」については、東京スポーツ(東スポ)1紙のみでした。その後も、追いかけているのが東スポのみです。
「中日 イチロー調査」については、東スポを含め、複数紙が報道しています。もちろん、機関紙の中日スポーツにも掲載されています。
もちろん、動向を注視し、状況が整った時に速やかに動ける環境づくりの「調査」することは自由です。
ただ一紙のみ、「正式にオファー」としているのが読売ジャイアンツの広報誌・スポーツ報知です。
G広報誌、あ、いや、スポーツ報知によれば、「中日が、マーリンズからFAになったイチロー外野手(44)の獲得を目指して、正式にオファーしていたことが18日、分かった。森繁和監督(63)が『話は進めている』と語り表面化した」と書いてあり、球団首脳が「調査していることは間違いない。(正式オファー?)監督が『進めている』というのなら、そういうことになる」と話し、具体的な金銭提示を済ませていることもにおわせたということです。
常識的に考えて、日本球界復帰の場合は、古巣のオリックスバファローズへの復帰が最有力でしょう。ドラゴンズとの接点は、イチロー選手が「愛知出身」というところだけです。ただ、出身の豊山町で、自らが大会長を務める「イチロー杯争奪学童軟式野球大会」を長年開催しています。まだ、地元との繋がりは残ってはいるのです。
その大会の昨年閉会式にて、少年からは日本球界復帰の可能性について質問を受けたイチロー選手は、「可能性という言葉を使えば、いろいろなことがある。ゼロではない限りは可能性はあるということになるけど…」と、はぐらかしていました。
ということは、地元ドラゴンズに電撃入団する可能性もあるということです。
そもそも、世代交代を進めているドラゴンズが44歳の、”いまさら”イチロー選手かというと、正直、「観客増」でしょう。昨年のナゴヤドームで1試合平均の観衆は2万8618人でした。私が行かなかっただからでしょうけど、ドーム開場21年目で最少を記録してしまい、観客減少は深刻です。森監督は、23日に入団テストが決まった松坂選手についても「お客さんを100人でも200人でも呼んでくれるかも分からない」と期待したコメントしているくらいですから、イチロー選手の獲得に成功すれば、さらに大幅な観客増が見込まれます。
もう、なりふり構いません。でも、いいんです。もし、入団すれば、私は観に行く楽しみができるのですから。
もう1つは「地元回帰」でしょう。近年のドラフトでは東海地区の選手を中心に指名する方針へと明確に転換しており、昨年のドラフトでは育成を含め8選手中4選手が地元の東海地区です。球団首脳は「(イチローへの打診と)三重出身の谷元(昨年、トレードで移籍)、岐阜出身の大野奨(昨年、FAで移籍)を獲得したのも同じ流れ」と説明しています。
大本命と目されているバファローズは、現時点で球団サイドからイチロー選手本人に接触する考えはないようです。球団首脳は「会う予定はない。彼もクレバーな人間。いまは接触するだけで騒ぎになることは理解していると思う」と説明しています。ただ、毎年のように受け入れ態勢は整えていて、将来の監督の約束手形も準備しているようです。それに、背番号51も「準永久欠番」として空き番になっています。
一方のドラゴンズの背番号51は、昨年の新人王・京田選手が背負っていますが、京田選手は「将来的には1ケタをつけてみたい」と話しており、現在空いている7などへの変更も快諾すると思います。
そもそも、イチロー選手自身は少年時代はドラゴンズファンだったといわれ、プロ3年目の1994年の「伝説の10・8」をナゴヤ球場スタンドから生観戦しているくらいです。
古巣バファローズか地元ドラゴンズか。
イチロー選手の動向がより気になるシーズンオフです。