問題です:あなたは高校の教師である。ある日、授業の一環として稲刈りの体験作業があり、僻地の農家に田植えの体験授業に生徒を連れて出かけた。稲刈りの体験作業の後、農家のおばあさんがクラスの生徒全員におにぎりを握ってくれた。しかし、多くの生徒は他人の握ったおにぎりは食べられないと、たくさん残してしまった。
問1:あなたは、おにぎりを食べられない生徒に対しどのように指導しますか。
問2:あなたはこの事実をおばあさんにどのように話しますか。
これは、2019年横浜市立大学医学部医学科入試で出た小論文試験です。
現在行われている大学センター試験の後継テストとして、2021年から実施される「大学入学共通テスト」では「社会生活や日常生活の中から課題を発見し、解決方法を構想する」場面や「資料やデータなどをもとに考察する場面」などを重視するとしています。
それを見越してだと思いますが、医学部一般入試、推薦入試の2次試験で問われる小論文試験や面接試験の内容が、従来の定型的で1つのテーマに絞られた「1行問題」ではなく、実質的で具体的な出題が増えているそうです。いわば、日常で遭遇するさまざまな題材を引用し、考えさせる問題が増えているとのことです。
さて、ベネッセ教育情報サイト(2018年)には、「(小学生の子どもを持つ保護者を対象にしたアンケートで)お子さまは、どのおにぎりなら食べられますか?」という質問に対し、お母さんが握ったもの(85.6%)、友人・知人が握ったもの(45.8%)という結果が出ています。ということは、54.2%の子どもは「他人(知人・友人)が握ったおにぎりを食べられない」と感じているということです。
以前、TV番組で、「他人の握ったおにぎりを食べられない人が増えている」という情報が紹介されてもいて、近年、私には信じられないことに、手作りのおにぎりどころか、寿司職人が握ったお寿司までも食べるのが苦手だという人が増えているというのです。
おにぎりの具やお寿司のネタに苦手なものがあるというのならわかりますが、機械で作ったものなら普通に食べられるというのです。極端ではありますが、「人間が握っている食べ物なんて不衛生」「機械の方が信用できる」ということのようです。
おにぎりもコンビニなどに行けば必ず販売されていますし、回転寿司などで手軽にお寿司を食べられ、美味しいです。
ただ、お寿司屋さんやおにぎり屋さんはみな衛生面には細心の注意を払っていますし、なにより心を込めて握ってくれています。お母さんたちは、さらに心を込めて丁寧におにぎりを握ってくれていることだと思います。
手で握ったお寿司やおにぎりの良さ。変な想像をしないで本物のお寿司やおにぎりを味わってみて欲しいものです。
ご飯を握って作るお寿司やおにぎりは米食文化が根付いた日本ならではの伝統料理だと思います。きっと、手作りの良さがわかると思います。
明日から、大学センター試験が始まります。ガンバレ!受験生。