中国・成都で行われた「パンダカップ2019」のサッカー男子U-18(18歳以下)で優勝した韓国代表の選手の一人が笑顔で優勝トロフィーを踏みつけ、優勝トロフィーを剥奪されるという事件がありました。
新華社通信の発表では、韓国代表は5月29日の決勝で中国を破って優勝しましたが、韓国代表選手がトロフィーを踏みつけて笑っている写真がソーシャルメディアで拡散。パンダカップの主催者は極めて敬意を欠いた行為として韓国を非難し、優勝トロフィーを剥奪したというものです。
どういう理由があったにせよ、国際大会であろうが国内大会であろうが、大会および主催者と参加チームへの敬意が微塵も感じられない、非常に情け無い態度だと思います。
もちろん、韓国側は平謝りしています。その対応は、必要以上に中国に気を配ったものでした。韓国サッカー協会は5月30日、大会組織委員会に謝罪文を送付。韓国代表のキム・ジョンス監督は同日に緊急記者会見を開き、「私たちはすべてのファン、すべての選手、そして全中国人民におわびする」と述べ、大会とは直接関係のない全中国国民にまで言及しました。しかし、当然のことながら中国側の反発が収まらず、今後の「報復」を懸念する見方も出ているとのことです。
韓国側のこうした過剰反応の背景には、文政権下が置かれた国際的環境があるようです。文政権は、「核・ミサイル開発」を進める北朝鮮に肩入れし、いわゆる「元徴用工」をめぐる異常判決など行き過ぎた「反日行為」を連発しています。そして、日本との関係は現在では史上最悪となり、同盟国である米国のドナルド・トランプ政権まで韓国を「冷遇」するという情勢になっています。結果的に韓国は、中国への接近を強めていっている最中でした。
こうしたなかで、よりによって中国で開かれた国際大会で、韓国代表選手が中国のメンツを潰すような行為を行ったしまったのです。
韓国紙、朝鮮日報は5月30日、「今後の悪影響も予想される。中国国民の『嫌韓感情』を刺激するとの懸念がある」と指摘しましたが、時すでに遅し。
スポーツと政治は別物ではあるのですが、今後の成り行きに注目する日々が続きそうです。