「あなたが絶対知るべき唯一のものとは、図書館である」
これは、ドイツ生まれの物理学者、アルベルト・アインシュタインさんの言葉です。
私が最後に図書館に行って本を借りたのは、中学生のときだったと記憶しています。今では本屋さんに行くことはあっても、図書館に行くことはほとんどありませんが。
そのときに出会った本の中で何回も借りたのが、海洋冒険家の堀江謙一さんが1962年に出版した「太平洋ひとりぼっち」でした。
1962年5月12日。堀江謙一さんが23歳のときに全長6mにも満たない、小型ヨット「マーメイド号」で、単独無寄港太平洋横断を目指して、兵庫県西宮を出港、同年8月12日に米国サンフランシスコ港に入港した航海の記録です(これがきっかけで「マグロ漁師になりたい」というものではないと思いますが)。
さて、今では学校や自治体に「普通」にある図書館ですが、図書館の歴史は紀元前2500年にまでさかのぼります。
シリアの都市国家エブラの遺跡で、粘土板に書かれた文書が大量に見つかり、この文書庫が最古の図書館だとされています。古代ギリシア・ローマ時代を経て、欧州の中世時代にキリスト教修道院、貴族や王族の私設文庫となります。しかし、一般者には利用できず、一部の限られた人だけが利用できるものでした。
そして、1848年に米国マサチューセッツ州に作られた「ボストン公共図書館」が設立され、ようやく誰もが自由に利用できる公共図書館ができたのです。
日本でも古くから貴族、武士や仏教寺院などの私設文庫はありましたが、一般的な図書館ができたのは1872年に現在の東京都文京区湯島に設立された「文部省書籍館」でした。しかし、図書館は日本政府の見解に適する本だけしか公開されていない状況でした。
1945年に戦争が終わり、1950年に新憲法の考えに基づいた図書館法が制定されます。しかし、朝鮮戦争の影響により、一時、戦前と同じような意見も出始め、図書館の中立性を保つために、1954年の全国図書館大会と日本図書館協会総会で「図書館の自由に関する宣言」が採択され、現在のように自由に本を閲覧することができるようになりました。
なお、2013年に発行された「図書館戦争(https://blog.goo.ne.jp/full-count/e/cd2b49c0199c8578e76293f37ad214d8)」(著:有川浩さん)で、架空の武装自衛組織「図書隊」が、知る自由や本を読む自由を守るために戦うテーマが、この「図書館の自由に関する宣言」になります。
「読書週間」が終わりかけていますが、秋の夜長にゆっくりと本を読みながら時間を過ごすのも、いいかもしれません。
ちなみに、読書週間とは、毎年10月27日~11月9日までの2週間にわたり、読書を推進する行事が集中して行われる期間です。
1924年に日本図書館協会が11月17日~11月23日までの「図書週間」を制定していましたが、1933年に「図書館週間」と改称されました。1947年に日本出版協会、日本図書館協会、取次・書店の流通組織、報道・文化関連団体などが参加して「読書週間実行委員会」が結成され、11月17日~11月23日まで「読書週間」が行われましたが、翌年から11月3日の文化の日を挟んだ、10月27日~11月9日までの2週間となりました。
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今日がみなさんにとって、穏やかで優しい一日になりますように。そして、今日みなさんが、ふと笑顔になる瞬間、笑顔で過ごせるときがありますように。
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