隣国ロシアと約1300kmにわたって国境を接するフィンランド。冷戦期からどの軍事同盟にも属さない「軍事的中立」を外交方針に掲げてきていました。しかし、フィンランドは北大西洋条約機構(NATO)加盟する方針を明らかにしました。
これはウクライナ侵攻で「すべてが変わった」との見解で、NATOの集団防衛と抑止力以外に国の安全を保証する手段はないとの判断によるものと思われています。同じく、北欧のスウェーデンもNATO加盟を排除しない立場で、フィンランドと同時に加盟申請するとの見方も出ています。
これに反応し、ロシア外務省はフィンランドのNATO加盟に向けた動きについて、「報復措置」を取らざるを得なくなるだろうとしています。これが行動となって、これ以上の侵攻がないことを願うだけです。
さて、そうはいっても日本も他人ごとではなさそうです。
2022年3月2日にロシア機とみられるヘリコプター1機が北海道沖で日本領空を侵犯。同10日から11日にかけてはロシア海軍艦艇10隻が津軽海峡を通過。ほかにも宗谷海峡や対馬海峡でも艦艇を通過させ、北方領土では3月25日と4月1日に軍事演習を行っています。
現ロシア大統領は2018年12月に人権評議会において、「アイヌ民族をロシアの先住民族に認定する」という考えを示しており、また、2022年3月にはロシア下院議員から「どんな国も、隣国に対し領土要求を出せる。専門家によると、北海道の全権はロシアにある」という発言もありました。
これらの発言が事実であり、本当にそう考えているのであるのならば、今回のウクライナ侵攻と同じく、「アイヌ民族保護」を名目に北海道に乗り込んでくる可能性がありますし、また、一時的、部分的にでも支配下に置いて国家承認するようなことがあれば、世界の秩序は完全に崩壊してしまう事態になってしまいます。
第二次世界大戦末期、ソビエト連邦は日ソ中立条約を一方的に破棄し、中国東北部へ侵攻。さらに、日本がポツダム宣言の受諾を決めて終戦の詔書が出された後、北海道占領を狙って南樺太・千島列島なども侵攻してきました。実際に当時、ソ連は日本が降伏文書に署名する前のヤルタ会談で樺太と千島列島、さらに北海道まで占領し、既成事実にするつもりだったそうです。実際、米国に対して留萌-釧路以北の北海道占領を要求し、拒否されたものの、北海道上陸準備をしていたとのことです。
しかし、当時、札幌の第5方面軍が千島列島北端の占守島(しゅむしゅとう)に侵攻したソ連軍に対して戦い、ソ連は千島列島占領が遅れ、北海道侵攻とはなりませんでした。北海道占領を断念したソ連は北海道上陸予定だった部隊を択捉島に向かわせ、国後島、色丹島、歯舞諸島を占領してしまいます。
もし、ソ連が北海道に侵攻していた場合、日本が分断国家となっていた可能性もあったと思います。
おそらく現在でもロシアは北海道などに領土的な野心を持っているのは確かで、「アイヌ民族の保護」などを名目に侵攻してくる可能性はまったくゼロではないと推測します。
その昔、佐瀬稔さんの「北海道の11日戦争 -自衛隊vs.ソ連極東軍-」という本を読んだ記憶がよみがえってきました。
(画像はAmazonより)
ストーリー自体はフィクションですが、登場する第2師団長、北部方面総監などは、当時現役の自衛官でした。北海道が進行された際に自衛隊がどう戦うのか、そして、そのときに何が起こるのかは時代が変わったとしても大きく変わるものではないと考えます。
もしかすると、北海道への脅威については当時よりも大きくなっている可能性もあるかもしれません。
これが現実にならないことを願うばかりです。
本日も私のブログを読んでいただき、ありがとうございます。
今日はどのような一日になるのでしょうか。または、どのような一日を過ごされたのでしょうか。
その一日でほんの少しでも楽しいことがあれば、それを記憶にとどめるように努力しませんか。そして、それをあとで想いだすと、その日が明るくなる、それが元気の源になってくれるでしょう。
それを見つけるために、楽しいこと探しをしてみてください。昨日よりも、ほんの少しでも、いい一日でありますようにと、お祈りいたしております。
また、明日、ここで、お会いしましょう。