「津の女」は、2014年10月14日にリリースされた、レ・ロマネスク(Les Romanesques)の、たぶん4枚目になるシングル楽曲です
日本にある鉄道駅の数は路面電車なども含めると10,471の駅(2019年4月時点)があり、そのなかで最も短い駅名は、JR紀勢本線と近鉄名古屋線、伊勢鉄道線が交わるターミナル駅の三重県津市の「津(つ)」駅です。
確かに漢字でも仮名でもたった1文字ですが、ヘボン式ローマ字で表記すると「Tsu」となり3文字となってしまい、これでは短さが世界一はおろか日本一にもなりません。なぜならば、JR西日本加古川線と北条鉄道線、神戸電鉄線の「粟生(あお)/ Ao」駅や、JR西日本山陰本線の「飯井(いい)/ Ii」駅など、ローマ字2文字の駅が複数存在するためです。
そこで津市では、表記を「Tsu」ではなく1文字の「Z」にし、日本一はもちろん「世界一短い地名・駅名」として「ギネス世界記録」に登録しようとする運動があったそうです。
さて、「つ」を「Z」にするというのには、不思議に思われるかもしれませんが、意外と見近に使われていることがあり、ポン酢の国内シェアNo.1のミツカンのロゴマークの表記が「mizkan」になっており、日本での正式な社名表記も「Mizkan」になっています。また、自動車メーカーのマツダの英語表記は「MAZDA」であり、1931年にマツダの前身である東洋工業が最初に生産した自動車である三輪トラックの英語表記として使ったのが始まりだそうです。
創業1804年のミツカンは、もともとの英語表記は「Mitsukan」でした。2004年に創業200年を迎えるにあたり、海外でのブランドイメージを強化するのを狙いとして、ロゴマークを「mizkan」に変更するとともに、社名の英語表記も「Mizkan」に変更し、2014年には日本での社名表記も「Mizkan」に変えました。
そして、「tsu」ではなく「z」にしたのは「zという文字を用いて短くすることで、形として覚えやすく革新的にしたかった」とのことです。また、もとの「mitsukan」を海外では、「ミチュカン」と発音されることが多く、「tsu」を「ツ」と発音するのは難しいとのこともあったそうです。
ただ、「mizkan」だと日本では、「ミズカン」と読んでしまいそうであったことから、新聞やテレビCMなどで積極的に「ミツカン」と情報を流すなどして、周知を図ったそうです。ちなみに、海外では、「mizkan」は「ミズカン」と発音され、「ズ」の発音が小さくなるそうです。
一方で、「MAZDA」の場合ですが、由来はペルシャで創始されたゾロアスター教の最高神「アフラ・マズダー(Ahura・Mazda)」であり、この神は「叡智・理性・調和の神」とされ、当時の社長だった松田重次郎さん自身の名字に重ね、「MAZDA」の表記が誕生したそうです。その後、1975年に「MAZDA」のロゴマークを導入、1984年に社名をマツダに変更するのに合わせ、英語表記を「MAZDA」えたそうです。
このように「ツ」を「Z」で書くのは、「Z」が表す「ズ」の音は「ス」が濁った音であり、「ツ」や「ヅ」とはもともと別物でしたが、タ行とサ行がともに音の変化を起こしたことも一因のようです。
そもそも、「ツ」のローマ字表記には、ヘボン式の「tsu」と、訓令式の「tu」があります。これは、日本語学によると、五十音図(あいうえお表)における「タ行ウ段(=母音がu)」の「ツ」の音は、実は「タ行」ではなく「ツァ行」の音だという説があるからです。そして、「タ行イ段(=母音がi)」の「チ」の音は「タ行」ではなく「チャ行」の音だといいます。
つまり、日本語のタ行は、音の観点からみると、母音によって、子音がすべて単純な「t」ではない形で発音しているということです。実際に発音してみますと、「タ」「テ」「ト」は舌を口の中の上の部分にしっかりとくっつけて発音しますが、「チ」と「ツ」は音を出す場所と方法が違うので、別の種類の音だということになるそうです。
そのため、日本語の音を英語の発音に近い形でつづる「ヘボン式」のローマ字では、「チ」は「ti」ではなく「chi」、「ツ」は「tu」ではなく「tsu」といったように、子音が「t」でない形で表記されることになります。
そして、「ズ」と「ヅ」の区別は最近ではしなくなってきており、それによって、「ツ」を「Z」で表記する固有名詞の工夫も、そんな背景があるそうです。
日本語の変化はまだまだ続いて行くと思います、将来、現在の日本語表現とまったく違う日本語になっていることもあるでしょうね。
良いことはずっと続き、良くないことには、必ず終わりが来ると信じていきましょう。
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