甲子園での名勝負として、いろいろ挙げられますが、私も小さい頃にTVを見ていた記憶がある、1979年夏の箕島高(和歌山)対星稜高(石川)の一戦があります。
この一戦は甲子園博物館にも「名勝負」として記録が展示され、VTRも見られます。
星稜000100000001000100 |3
箕島000100000001000101x|4
この高校野球史に残る激戦には「先攻・後攻」にまつわる話があったといわれています。
サヨナラ負けした星稜高は実はジャンケンに勝って「先攻」を選びました。
試合後、山下元監督の元には
「なぜ後攻を取らなかったんだ」
と関係者から言われたとのことです。
しかし、
「相手は強いんだから、先攻を取らなきゃ(簡単に)負けますよ」
と言い返したといいます。
優勝候補の箕島を相手に、攻撃的な気持ちで臨まなければ活路は見出せないのだと。
しかし、以後、相手によって、「先攻・後攻」を考えるようになった言います。
相手が格上ならば先攻。地域性も考慮する。
「関東は一度つまずくと迷う傾向がある。一方、関西は粘っこい」
関東勢が相手の場合には、先に仕掛けるため、先攻。関西勢が相手の場合には後攻という。
「主将には、『じゃんけんに負けたと言っておけ』と言い聞かせた」
そこまで考え抜いたからこそ、じゃんけんにもこだわり、歴代の主将にはじゃんけんの強い子を選んだという。
ただ、この名勝負のもう1つの主役。箕島高の尾藤元監督は無頓着だったそうです。
一発勝負の高校野球。
プレーボール前から相手の優位に立つこと。それが勝利への先取点でもあるでしょう。