確定申告が必要な方は、忘れずに申告されましたでしょうか。私のような、どこからどう見ても普通の平凡で善良な会社員などは、通常、確定申告の必要はありませんが、「医療費控除」や「寄附金控除(ふるさと納税など)」などを受けるときには、確定申告が必要になります。今年は、それらの必要はありませんでしたが。
私たちが納めた税金は税務署を経由して日本銀行に預けられます。国会で使い道が決められた後で、私たちの生活に反映されるようになっています。そして、その多くの使い道は国民への公共サービスとなっています。
■安心・安全な生活の維持
警察(町のパトロール、交番での道案内、強盗や交通事故などの対処)
消防、救急(消火活動、救急、救助活動)
道路、公園などの整備
信号機、横断歩道
■健康的な生活
医療費
年金、生活保護
ごみ収集
水質検査
食品の品質、安全管理
■文化的な生活
学校教育(私立への補助金を含む)
図書館、児童館、学童、保育園
科学技術、スポーツ、芸術の発展
これらのほかに、海外援助や地方自治体への交付金にも使われています。
日本の税金は、大きな分類として国に納める国税と、都道府県市区町村に納める地方税がありますが、これらはあまり気にすることはありません。一方で直接的間接的に徴収される税金の種類は約50種類というたくさんの種類があり、身近な税金として、毎月の所得にかかる「所得税(国税)」と「住民税(地方税)」があります。所得税は個人のもうけに対してかかる税金で、住民税は居住地において給与の支払額などに基づき、かかる税金となっています。
また、もっとも身近な税金として、買物や食事をしたときに支払う「消費税(国税・地方税)」があります。消費税は、物の購入やサービスを消費したときにかかる税金です。税率は、1991年に3%から始まり、2019年には国税と地方税あわせて10%までなりました。
一般的に所得税と住民税は、所得が大きいほど税金が高くなる形がとられています。
さて、他人さまの財布の中身に基本的にどうでもいいことなのですが、2021年に日本プロ野球・東北楽天ゴールデンイーグルスに復帰した田中将大選手。契約は2年契約、年俸9億円+出来高と日本球界史上最高と報じられています。
2020年は、メジャーリーグベースボール(Major League Baseball = MLB)のニューヨーク・ヤンキースで日本人最高の年俸約2300万ドル(約24億6400万円)でしたが、新型コロナウイルス感染拡大に伴う試合数の削減で、37%減の約851万ドル(約9億1200万円)でした。
その田中選手は、約5億円の納税となります。年俸9億円でも所得税が約4億円+住民税が約9000万円=税金の総額は4.9億円(≒約5億円)となり、手取り額は約4億円となります。
収入:年俸9億円+出来高2000万円(推定)
経費:2000万(推定)
所得:9憶円(推定)
日本の所得税は、「累進課税制度」となっていて、所得が多い人は多くの税金を払い、所得の少ない人は、それなりの税金を負担するという制度です。これは、昔の富士フィルムのお正月バージョンのCMでも同じようなフレーズがありましたので、わかる方はわかると思います。
普通の日本のプロ野球選手は、球団(企業)の社員ではなく個人事業者(自営業者)として、所属球団と業務契約を結んでいます。個人事業者の場合、毎年確定申告を行うことになります。確定申告は、1月1日~12月31日までの収入から、掛かった経費を差し引き、所得を計算して、その所得に税率を掛けて、税金が決まります。
個人を対象とした所得税の税率の場合、5%~45%までの7段階あり、田中選手の推定所得が9億円だとすると、45%の所得税がかります。さらに45%の所得税に追加して、住民税という都道府県区市町村に納める税金が、約10%かかります。
ということで、田中選手の税金は、所得税45%+住民税10%=約55%となるのです。
さらに、日本で3年目以降も契約となった場合、3年目以降からは消費税(10%)が所得にかかり、納税額が上がります。
収入も大きいですが、納税額も大きいです。私は、つくづく、どこからどう見ても普通の平凡で善良な会社員でよかったと思います。
日本では原則、住民票のある場所へ、住民税を納めることになります。ただ、現住所と住民票の住所が違い、現住所を納税地としたい場合は、所得税の納税地に関する届出書を税務署へ提出することで、住所地の変更の特例を受けることができます。ただ、所得税は国へ納める税金であるため、申告先は納税地でも住民票があるところでも問題はないのですが、住民税は地方税になるため、田中選手の住民票がどこにあるのかで、地元の自治体の税収入に大きな影響がありそうです。
あらためて、2度とこない今日という1日を大事に大切に過ごしたいと思います。
良いことはずっと続き、良くないことには、必ず終わりが来ると信じていきましょう。
今日も、私のブログを最後まで読んでいただき、ありがとうございます。明日もまた、元気にここでお会いしましょう。