最近、耳には直接装着しないものの、耳にすることが多いが骨伝導イヤホンです。骨伝導とは、鼓膜(こまく)ではなく、「骨をとおして音が聞こえる」という仕組みです。
実は私、耳の穴がほかの方とは違うのか、耳の形状が一般的でないのか、それとも使い方が間違っているのか、何しろよくわからないのですが、イヤホンと耳の相性がよくなく、耳に装着しても痛かったり、すぐに外れてしまったりしまいます。よって個人で音楽を聴きたいときにはヘッドホンがちょうどいいのですけれども、トレーニングルームやウォーキングのときには大きすぎますし、重たすぎて実使用できません。
ですから、(仕方なく?)Bluetoothのイヤホン(左右がつながっているやつ)を使っていたのですが、なんだか調子がよくない。代わりに買ってみたのが左右独立型のイヤホンですが、調子はいいのですがどこかに落としそうで怖いのです。
と、さんざん悩んで試しに買って使っているのが、「Shokz(ショックス)」というメーカーの「Open Move」という骨伝導イヤホンです(買ったのは2022年当初ころだったような)。
Shokzは、2011年に創業した骨伝導技術を利用したイヤホン/ヘッドホンなどを開発、製造および販売している米国の企業。2020年には日本国内での骨伝導イヤホン/ヘッドホン販売台数シェアが約80%という、骨伝導イヤホン/ヘッドホン製品の世界的なリーディングカンパニーらしいです。
電器店には何種類か売っており、お値段もそれなりにしており、さんざんでもないですが、骨伝導という不思議なイヤホンを初めて使うこともあり、安からず、高からずということで購入したのがこれです。
約3~4か月間使ってみて「いいな」と思ったことは、「周囲の音が聞こえる」「耳の穴に圧迫感がない」「耳に合わないことがない」ことです。
特に周囲の音が聞こえるということですが、ウォーキングしている際に後ろから近づいてくる自動車など、危険な音に気づくことができることです。これは出遭ったことがないですが、クマさんとの遭遇時に役立ちますので、その意味では耳を塞いでしまうタイプのイヤホンと比べ、骨伝導イヤホンの方が安全と言えます(あくまでも個人の感想です)。
ただ、弱点としては骨伝導では伝わる音質や音量に限界があるため、ハイレゾ音質のイヤホンなどに比べれば音質がよくないようです。私自身、今まで(今でも)それほど高品質なイヤホンを使っていなかったので、ほとんど関係はありません。そもそも、普通のイヤホンでは耳とのサイズが合っていないと音質が悪くなることがありますので、それまでがどうだったかというとこの点でも関係がありません(あくまでも個人の感想です)。ただ、周囲の音が聴こえますので気になる方には使えないでしょう。
さて音というものは、空気の振動によって伝わる現象です。スピーカーなどから音を出ますと空気が振動し、その振動が耳の中に伝わり、鼓膜を震わせ、耳の奥にある蝸牛(かぎゅう)という部分へと伝わります。この蝸牛から、音の情報が脳へと伝わるということです。
骨伝導はこの仕組みに基づいて、耳の穴や鼓膜を使わずに耳周辺の骨(頭蓋骨?)を振動させて、その振動を蝸牛へ届けるという仕組みとのことです。つまり、人が音を聴いているのは鼓膜を使っても骨伝導であっても、蝸牛に適切な振動が届けば、音は聞こえるということです。
これは自分の耳を手で塞いで、自分で声を出すと自分の声が聴こえるということ(これが骨伝導ということらしい)でわかりますし、ビデオなどで自分の声を聞いたときに、いつも聞いている声よりも違って聴こえると思いますが、これは骨伝統とは逆に鼓膜からの音のみを聞いているため、いつも聞いている自分の声よりも高い音に聞こえるようになるからだそうです。
とは言っても、まだ骨伝導で音が聴こえる仕組みについては完全には解明されていないようです。
ちなみに、「運命」「第九」などで有名なドイツの作曲家・ピアニストのルートヴィヒ・ヴァン・ベートーヴェンさん。晩年は聴覚障害に悩まされていましたが、それでも作曲を続けていたそうです。
ベートーヴェンさんが、「タクト(指揮棒)」を口にくわえている肖像画を目にされた方もいらっしゃると思いますが、ベートーヴェンさんは口にくわえたタクトの先をピアノに押し付け、ピアノの振動をタクト→歯→頭蓋骨→蝸牛へ伝えて音を聴いていたということです。
ただし、骨伝導イヤホン/ヘッドホンでも、普通のイヤホン/ヘッドホンでも大きすぎる音で聴き続けてしまいますと、騒音性難聴になってしまう可能性がありますので、使われる場合にはくれぐれもご注意ください。
皆さまにとって、今日という日が昨日よりも特別ないい日でありますようにお祈りいたしております。
また、明日、ここで、お会いしましょう。それではごめんください。