長野県のほぼ中央、松本市と塩尻市にまたがって位置しているのが、松本空港(愛称「信州まつもと空港」)です。この愛称の「信州まつもと空港」は長野県が公募で決定したもので、2004年7月4日から使用しています。
長野県が設置・管理しており、定期便は国内線のみで国際線は就航していません(チャーター便はときどきあり)。空港の北側一部には1943年に旧日本陸軍が建設した松本飛行場跡がありますが、直接的には関係ありません。
1965年7月16日に開港し、開港後は期間限定で東亜航空(後の日本エアシステム、現;日本航空=JAL)がコンベア240により大阪国際空港との1日1往復不定期便を開設し、1982年からYS-11が1日2往復する通年運航が開始されました。
1998年の冬季長野オリンピック開催決定に伴い、全面的な改修工事が施され、滑走路を1500mから2000mへ延長し、ターミナルビルも全面改築し、1994年7月に再開。ジェット機であるMD-87(米国のマクドネル・ダグラス社)が就航するとともに、大阪線に加え、福岡線と札幌線を新設、さらに、広島便(1995年4月運航開始)、仙台便(1996年7月運航開始)、関西便(1996年9月運航開始)、松山便、高松便(1998年6月隔日運航開始)と相次いで路線新設も行われました。しかし、長野オリンピック終了後は利用者が減っていったため、新規路線は相次いで運休、廃止となってしまいました。
さらに、MD-87の製造が1999年に中止となり、退役が決ったことに加え、搭乗率低下もあって座席数の少ないDHC-8(カナダのデ・ハビランド・カナダ社が開発したターボプロップ機=早い話がプロペラ機)に2007年9月から切り替えられます。
しかし、2010年5月に日本航空が撤退。代わりに6月からフジドリームエアラインズ(FDA)により札幌、福岡便がエンブラエル170・エンブラエル175型機(ブラジルのエンブラエル社)により毎日運航開始。3年ぶりのジェット機定期運用となりました。

2010年10月にはFDA本社のある静岡便運航開始するものの、2011年3月に廃止。以降、2014年8月にJAL(ジェイエアにて運航)のエンブラエル170による大阪便が1ヶ月間限定運航。以来毎年8月に運航されるようになり、2018年8月にはFDAにより札幌丘珠空港への夏季季節便が運航開始、2019年10月には神戸便が運行開始されています。
2019年度の年間利用客数は国内線・国際線あわせて155,898人で日本の空港で62位。1位の羽田空港(東京都)の利用者数が86,920,293人ですので約560分の1。なんと、日本一人口の少ない県の「鳥取砂丘コナン空港」の約3分の1、「米子鬼太郎空港:約4分の1という状況です(ま、新幹線と特急で都心に気軽に行けますからね)。
そもそも、日本の空港の中で最も標高の高い657.5mにあるため、航続距離の長い機材の場合には離陸に長い滑走路が必要になり、ほかの空港よりも就航できる機材や就航先が制約されてしまっています。
また、松本地域は四方を山に囲まれ、西側には奥穂高岳(3190m)や槍ヶ岳(3180m)など日本の屋根といわれる北アルプス連峰、東側には八ヶ岳中信高原国定公園に属する美ヶ原高原(2034m)や高ボッチ高原(1665m)などがそびえていることにより、計器着陸装置(ILS)の効果がなく、日本の1500m級以上の滑走路を持つジェット化空港としては唯一設置されていません。
よって、パイロットは目視のみで着陸しなくてはならないため、「日本一着陸の難しい空港」とも言われていました。

(着陸態勢のFDA機)
しかし、2020年7月20日から新しい進入方式「RNP-AR」という、GPSの位置情報による航法コンピューターで処理・監視し、進入方式を導入するシステムが運用されています。
そのためでしょうけど、現在の進入方式より着陸を判断する最低高度が低くなり、風向きによっては着陸時に我が家の真上を手の届きそうな高さで着陸態勢に入ってきます。
「領空侵犯」の高さではないでしょうけど。
本日も、拙文最後までお読みいただきありがとうございます。
皆さまにとって、今日という日が昨日よりも特別ないい日でありますようにお祈りいたしております。
また、明日、ここで、お会いしましょう。それではごめんください。
長野県が設置・管理しており、定期便は国内線のみで国際線は就航していません(チャーター便はときどきあり)。空港の北側一部には1943年に旧日本陸軍が建設した松本飛行場跡がありますが、直接的には関係ありません。
1965年7月16日に開港し、開港後は期間限定で東亜航空(後の日本エアシステム、現;日本航空=JAL)がコンベア240により大阪国際空港との1日1往復不定期便を開設し、1982年からYS-11が1日2往復する通年運航が開始されました。
1998年の冬季長野オリンピック開催決定に伴い、全面的な改修工事が施され、滑走路を1500mから2000mへ延長し、ターミナルビルも全面改築し、1994年7月に再開。ジェット機であるMD-87(米国のマクドネル・ダグラス社)が就航するとともに、大阪線に加え、福岡線と札幌線を新設、さらに、広島便(1995年4月運航開始)、仙台便(1996年7月運航開始)、関西便(1996年9月運航開始)、松山便、高松便(1998年6月隔日運航開始)と相次いで路線新設も行われました。しかし、長野オリンピック終了後は利用者が減っていったため、新規路線は相次いで運休、廃止となってしまいました。
さらに、MD-87の製造が1999年に中止となり、退役が決ったことに加え、搭乗率低下もあって座席数の少ないDHC-8(カナダのデ・ハビランド・カナダ社が開発したターボプロップ機=早い話がプロペラ機)に2007年9月から切り替えられます。
しかし、2010年5月に日本航空が撤退。代わりに6月からフジドリームエアラインズ(FDA)により札幌、福岡便がエンブラエル170・エンブラエル175型機(ブラジルのエンブラエル社)により毎日運航開始。3年ぶりのジェット機定期運用となりました。

2010年10月にはFDA本社のある静岡便運航開始するものの、2011年3月に廃止。以降、2014年8月にJAL(ジェイエアにて運航)のエンブラエル170による大阪便が1ヶ月間限定運航。以来毎年8月に運航されるようになり、2018年8月にはFDAにより札幌丘珠空港への夏季季節便が運航開始、2019年10月には神戸便が運行開始されています。
2019年度の年間利用客数は国内線・国際線あわせて155,898人で日本の空港で62位。1位の羽田空港(東京都)の利用者数が86,920,293人ですので約560分の1。なんと、日本一人口の少ない県の「鳥取砂丘コナン空港」の約3分の1、「米子鬼太郎空港:約4分の1という状況です(ま、新幹線と特急で都心に気軽に行けますからね)。
そもそも、日本の空港の中で最も標高の高い657.5mにあるため、航続距離の長い機材の場合には離陸に長い滑走路が必要になり、ほかの空港よりも就航できる機材や就航先が制約されてしまっています。
また、松本地域は四方を山に囲まれ、西側には奥穂高岳(3190m)や槍ヶ岳(3180m)など日本の屋根といわれる北アルプス連峰、東側には八ヶ岳中信高原国定公園に属する美ヶ原高原(2034m)や高ボッチ高原(1665m)などがそびえていることにより、計器着陸装置(ILS)の効果がなく、日本の1500m級以上の滑走路を持つジェット化空港としては唯一設置されていません。
よって、パイロットは目視のみで着陸しなくてはならないため、「日本一着陸の難しい空港」とも言われていました。

(着陸態勢のFDA機)
しかし、2020年7月20日から新しい進入方式「RNP-AR」という、GPSの位置情報による航法コンピューターで処理・監視し、進入方式を導入するシステムが運用されています。
そのためでしょうけど、現在の進入方式より着陸を判断する最低高度が低くなり、風向きによっては着陸時に我が家の真上を手の届きそうな高さで着陸態勢に入ってきます。
「領空侵犯」の高さではないでしょうけど。
本日も、拙文最後までお読みいただきありがとうございます。
皆さまにとって、今日という日が昨日よりも特別ないい日でありますようにお祈りいたしております。
また、明日、ここで、お会いしましょう。それではごめんください。