野球小僧

PK戦は先攻が有利

サッカーのPK戦は45分ハーフの前後半でも決着がつかず、さらに15分ハーフの延長戦でも決着がつかない場合に行われます。英語では「penalty shootout (PSO)」 と呼びます。

ただ、すべての試合で行われるのではなく、大会によって異なりますが、主にノックアウトトーナメントなど、勝ち上がりチームを必ず決めなければならない場合に行われます。

このPK戦ですが、先攻、後攻によって有利不利が別れてしまうというのはあまり知られていません。

実は先攻チームの勝率が60%というデータが出ています。10回に6回という結果ならさほど差が無いように思えますが、これが回数を重ねるとその差は大きくなって行きます。これは、英国の教育・研究機関ロンドン・スクール・オブ・エコノミクスというところが、1970年から2000年にかけて国内外で行なわれた主要な大会のPK戦2,820件を分析した結果、最初に蹴ったチームの60%が勝利しています。言いかえれば後攻の勝率が40%ということであり、先攻の勝率は後攻の1.5倍ということです。

また、PKの先攻・後攻を決めるトスに勝った場合、20人に19人(95%)の割合で先攻を選んでおり、実際にプロやアマの選手や監督240人を対象に行なったアンケートでも、ほぼ全員が先攻を望んでいるという結果からも差は明らかです。

選手にかかる心理的プレッシャーが後攻のチームの選手の方がより大きいからこのような結果になるとUEFA(欧州サッカー連盟)は指摘しています。

そのため、交互に蹴るという方式を変えようという動きが試験的に導入されることになりそうです。

今までのPK戦をABAB式と言うならば、新しいPK戦はABBAと呼ばれる蹴り方になります。Aチームが1人蹴った後、Bチームが2人蹴る。その後は2人ずつ蹴るという方式が検討されているのです。

この場合後攻にかかる心理的プレッシャーが平等になるという見方からです。実際PK戦で5人で決着がつかなかった場合でのサドンデスになった場合、後攻の選手は「決めなければ負ける」という状況に立たされる可能性が高くなります。そして、それがずっと続くとやはり不利だと言わざるを得ないからです。

このABBA方式はU-17男女の欧州選手権で試験的に導入されることになっています。ただ、この大会で新しいPK戦が必ず行われるとも限らず、仮に行われたとしてもサンプル数は相当少ないでしょう。もっと多くのサンプルが取れる大会で導入してみないことには何とも言えないとも思えます。

そもそも、試合をPK戦で決めるというのもいかがなものかという意見は多いです。私も、試合がPK戦になったら、よほどのことがない限り、TVで観るのをやめています。

元;日本代表監督のイビチャ・オシムさんは、PK戦が最も嫌いなサッカー関係者の一人だそうです。オシムさんに言わせるとPK戦はルーレットのようなもので、見ないことにしているそうです(私と同じだ)。

現状、これだけの差が明確なのですから、PK戦を見直すというのは賛成です。

ちなみに、2010年11月7日 第89回全国高校サッカー選手権福岡大会決勝の九州国際大学付属高 vs. 東福岡高では、この試合最初の5人を含む11人全員が1本も外さず1巡目が終了し、16人目は双方が失敗し決着がつかず、22人目のGK同士の蹴りあいで東福岡高が外し決着したという試合がありました。

コメント一覧

まっくろくろすけ
eco坊主さん、こんばんは。
いえいえ、これは、単なる調査報告です。そして、ワイは何を隠そう、オコノミマンです。

(いやいや、先攻です。)でも、こうやって見直しがかかるのですから、偶然とは思っていないのでしょうね。

そうそう、セクシー・ミュージックといえば、ノーランズです。
eco坊主
おはようございます(*Ü*)ノ"☀

今日も自画自賛の1ページでしょうか?
それとも「手前味噌」の「成海頁二」(1・2の三四郎)ですか!?(笑)

そーですか~PKは後攻が有利なんですね。
60%もあれば偶然ではなく必然の結果ですかね。

ABBAといえばダンシングクイーンでしょ!
あのノリは良かった^^b
今の洋楽は(邦楽もだけど)わからん!
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