千葉ロッテマリーンズのスカウティングスーパーバイザー(ロッテスカウトでは一番偉い人らしい)はこんな話をしています。
選手を実際に見るときにどんなところを見るのでしょうか?-
「打った」「打たない」の結果を追うことはありません。特に高校生は波が大きいしそういう見方をすると、観に行った試合が駄目という評価になってしまいます。スィングの速さやスピードを見て評価します。
選手が持っている『雰囲気』についてはどう考えてみえますか?-
雰囲気は大事にします。「スター性」とか「泥臭いとかガッツ」がある。雰囲気というと曖昧ですが選手の野球に対する姿勢が現れるんですよ。例えば「凡打しても全力疾走」であるとか「ユニフォームがいつも泥だらけ」であるとか選手の個性が見えてくる。
走攻守を何でもできることは大事なことでしょうけど、泥臭くても何かを感じさせてくれるのも、一つの魅力ですよね。
スター性では西岡剛選手、2004年の上宮大子高校のドラフト7巡目の青野はガッツに惚れて指名しました。
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一塁までの全力疾走はもちろん、ユニフォームをいつも泥だらけにする。
別に意識して汚すことではないと思います。
守備、走塁で全力のプレーをすれば、自然とユニフォームは泥だらけになるでしょう。
ヘッドスライディングをいつもすれば、ユニフォームは汚れますが、そういう意味ではなくて、野球に対する取り組む気持ちなんですよね。
練習や試合でどれだけユニフォームが汗や土で汚れているのでしょうか?
あまり、汚すのはお母さんとしては嬉しくはないと思いますが、やっぱり、一日試合をして、練習して、それなりに土が付いて汚れていないようでは一所懸命やっているとは思えません。
松井秀喜選手だったと思いますが、「努力できることも才能だ!」という言葉があります。
プロのスカウトは「優れた才能」だけを追っているわけではありません。
ダルビッシュは、高校時代は一見ちゃらんぽらんに見えたそうです。
なぜならば、人前で努力しない選手だったという。
だけど、実は練習後のグラウンドで、誰もいないグラウンドで1人ランニングをしていたという。
それは指摘されていたスタミナを養うためだったといいます。
彼は芯がしっかりとしていたから、今の活躍があると考えます。
やらされるのではなく、自分から取り組むことは、どんな世界でも非常に大事な要素なのですよね。
また、中日ドラゴンズの落合監督が数年前にキャンプ前のミーティングで語った方針は「自主性」。
「チームでそして相手に勝つ。生き抜く術(すべ)は自力で見いだしてくれ。」
と言って、その年は練習にも口を出さず、ノックバットを持つこともなかったと言います。
「言われたことだけをやる」のでなく、あくまで「義務でなく自主性」が大事なのです。
そして、難しいのですが「足りないものは何かを探して実行する」ことなのです。
勉強だって同じなのです。「まずは、何が必要か分かるアタマ」を作らなければ。
(どれだけ打っても”打撃は完成しない”という和田選手。今年も新しいスタイルに挑戦しています)