「恋人たちのクリスマス(原題:All I Want for Christmas Is You)」。マライア・キャリーさんのこの曲は、日本ではドラマ「29歳のクリスマス」(1994年、フジテレビ系、山口智子さん、松下由樹さん、柳葉敏郎さん主演)の主題歌に起用されてお馴染みの曲です。
リリースが今から25年前の1994年。その長い時間を経て、2019年12月のビルボードホット100シングルチャートで初めて1位を獲得しました。
クリスマスシーズンになると必ずと言ってもいいほど耳にするこの曲がこれまで1位じゃなかったことに驚きです。
まず、1994年の発売当時はシングルとしてリリ―スされていなかったことから、全米シングルチャートには登場していなかったのだそうです。
また、ホット100ではかつて、ホリデー・ソング(クリスマスソング)がチャートインできないというルールがあったそうです。ところがストリーミングがチャートに反映されるようになった2014年末以降は、過去のホリデー・ソングもチャートインできるようになり、マライアさんのこの曲も上位に浮上してきました。近年では3位が最高記録でしたが、今年はついに1位を達成しました。
クリスマス曲がチャートでトップとなったのは1958年のアルビン&ザ・チップマンクスの「The Chipmunk Song(Christmas Don't Be Late)」以来、61年ぶり、歴代2曲目の快挙になります。さらに、「恋人たちのクリスマス」はチャート1位になるまで最も時間がかかった一曲にもなりました。
さらに、マライアさんが同チャートで首位を獲得したのは今回で計19回となり、ソロアーティストとしてはエルヴィス・プレスリーさんと並んで歴代1位にもなります。アーティスト全体では、ザ・ビートルズに続いて2位となりました。
下衆な話で恐縮ですが、ここまで売れると気になる他人の懐です。
音楽配信のスポティファイでは、最も多く聴かれたクリスマスソングとなっており、再生数は約6億200万回になるそうです。また、YouTubeでは2009年にアップされて以降、約6億500万回再生されています。
スポティファイでは配信が始まってからすでに200万ドル(約2億2000万円)の使用料収入につながっているそうです。CNNによれば、マライアさんはこの曲だけでの著作権収入は6000万ドル(約66億円)以上になるそうです。
ちなみに、携帯電話会社のファーウェイが、英国で最新のワイヤレスイヤフォン「FreeBuds」の発売にあたって、「クリスマスシーズン中に聴きたくない曲」投票を実施(調査母数は公表されていません)、その結果が発表は以下とおりです。
1位 恋人たちのクリスマス(All I Want for Christmas is You) / マライア・キャリー(1994年)
2位 Do They Know It’s Christmas? / バンド・エイド(1984年)
3位 毎日がクリスマスなら(I Wish It Could Be Christmas Everyday) / ウィザード(1973年)
4位 Merry Xmas Everybody / スレイド(1973年)
5位 ラスト・クリスマス(Last Christmas)/ ワム!(1984年)
確かに、日本でもこの季節になれば、「これでもか!」と言えるくらいに耳にする人気曲ですから、聴く機会の多い順に、そのまま上から並べられたようなものとも思えます。米国では、「見方にもよるが、この結果は(「恋人たちのクリスマス」が)クリスマスの定番曲として確立された最後のオリジナル曲であるということを証明しているのでは」とコメントしています。
ちょっと切ないオルゴールのイントロ。これからも季節に聴かれ続けていくことでしょう。
Mary Christmas fot you!