今年もこのブログにたくさんの方に訪問いただき、また、多くのコメントやリアクションをいただき、感謝申し上げます。
激動の2020年も、あとわずかな時間で過ぎ去ろうとしています。2021年1月1日で11年目を迎える私のブログですが、その間、1日も休まずに来られたことは、決して「ひとり」では続けられません。皆さんの応援があってのことでもあります。この場をお借りして、お礼申し上げます。
ただ、過去に記録と記憶を残すことはできても、失ったものは取り戻せません。それでも、また、前を向いて行かなくてはなりません。
さて、今回で26回目を迎える大晦日カウントダウン・コンサート「東急ジルベスターコンサート」。例年、第2部はテレビ東京系列およびBSテレ東でも生中継され、日本テレビ系の「絶対に笑ってはいけない24時」シリーズとともに(?)、年越しの名物番組です。
今年のカウントダウン曲は、ルートヴィヒ・ヴァン・ベートーヴェンさんが1808年に作曲した交響曲第5番「運命」第4楽章です。
日本では一般に「運命」または「運命交響曲」という名称で知られていますが、これは通称であって正式な題名ではありません。
この通称は、ベートーヴェンさんの弟子アントン・シントラーさんが「冒頭の4つの音は何を示すのか」という質問をした時に、ベートーヴェンさんが、「このように運命は扉をたたく」と答えたことに由来するとされています。「冒頭の4つの音」というのは、あの有名な「♬ジャジャジャジャーン」のことです。
この、「♬ジャジャジャジャーン」は「運命のモチーフ(動機)」と呼ばれ、この曲を象徴するものですが、実はこの4つの音はベートーヴェンさんにとって「運命」だけのものではなく、「運命」以前の数々の作品で使われていたのです。1795年の「ピアノ・ソナタ第1番」を最初として「熱情」、「バイオリン協奏曲」などで「運命のモチーフ」によく似たモチーフや同音連打が登場しているのです。「運命」作曲前の数年間、この4つの音にこだわり続け、そして「運命」はベートーベンの心の中で長い間鳴り続けていたモチーフの最終形だったともいえるのでしょう。
ベートーヴェンさんの交響曲の中でも形式美・構成力において最も緻密に設計された作品であり、その主題展開の技法や「暗から明へ」というドラマチックな楽曲構成は後世の作曲家に模範とされています。そして、現在ではこの「運命」はクラシック音楽の中でも最も有名な曲の1つとなっています。
ベートーヴェンさんの音楽のモットー「苦悩を克服して歓喜へ」のように、私たちの2021年が歓喜に包まれた1年になるよう、祈りをこめて新しい年を迎えたいと思います。
そして、みなさまも良い年をお迎えください。
いろいろなことに振り回されてきた1年です。不安な心持で毎日を過ごしていますと、1日1日が本当に愛おしく感じられます。
あらためて、2度とこない今日という1日を大事に大切に過ごしたいと思います。
良いことはずっと続き、良くないことには、必ず終わりが来ると信じていきましょう。
今日も、私のブログにお越しいただいてありがとうございます。また、明日、ここで、お会いしましょう。