お父さんのためのルール教室

先日の練習試合で実際にあった事例です
2アウト二塁でバッターがランニングホームランを打ちました。もちろん、2人のランナーがホームインしました。
しかし、ホームランを打ったバッターランナーが二塁ベースを踏んでいませんでした、このシーンを守備側のファーストが見ており、二塁塁審にアピールし、アピールプレーによってアウトとなりました。しかし、スコアボードには1点が記録されました。

ここからルールの解説です。
バッターランナーが二塁を踏み忘れているということは、記録上は二塁に触れる前でのアウトとなります。
つまり、バッターランナーは二塁ベースの踏み忘れでアウトになりましたが、これは二塁でアウトになったのであって、一塁へ出塁したことは記録されます。よってバッターにはシングルヒットが記録されます。

この場面ではランナー二塁ですので、3アウト目を取るにためには、バッターランナーが一塁ベースに到達する前に一塁でアウトにするか、二塁ベース以降で“タッチアウト”にするか。はたまた、二塁ランナーを三塁ベース以降で“タッチアウト”にするかとなります。

野球規則4.09(a)に「第3アウトが次のような場合には、そのアウトにいたるプレー中に、ランナーが本塁に進んでも得点は記録されない」とあり、この付記(2)に「次のような場合」として「ランナーがフォースアウトにされた場合」と書かれています。

ですから、バッターランナーが一塁ベースを踏んだ時点で二塁ランナーのホームインは認められることになるのです。

ちなみに、バッターランナーが一塁ベースを踏み忘れて、アピールアウトになった場合には、言うまでもなく得点は認められません。

バッターランナーやランナーがベースを踏んだかどうかは、守備側の選手も見ていなければなりませんが、審判もきちんと確認していなければなりません。
ただし、ベースを踏み忘れただけではランナーはアウトになりません。また、審判はランナーがベースを踏み忘れたのを観ていたとしても黙っていなければなりませんし、ボールを持った選手がそのベースにタッチして、さらに審判に“ベース踏み忘れ”をアピールしなければアウトにはなりません。

これがアピールプレーになりますので、早とちりしてコールしてはダメなのです。

得点に関してはベースの踏み忘れが“何アウト目で誰がどこのベースを踏み忘れてアウトになったのか”によりますので注意が必要です。