野球小僧

だったらこうしよう。

1980年代には約20社あった日本の「石油元売り」は、1990年代~2000年代にかけて再編が進み、2020年時点での日本石油元売りは、「エネオスHD」「出光興産」「コスモ石油」「キグナス石油」「太陽石油」の5社となっています。

「石油元売り」といっても、なかなかピンと来ないかも知れませんが、原油を精製し、販売する事業者であり、その系列に属しているサービスステーション(SS = ガソリンスタンド/GS)のブランドをイメージしてみればわかりやすいと思います。大都市から地方都市まで、どこに行っても同じブランドのSSがあるのは、そうした背景によるものです。

現存する、石油元売り会社のブランド
ENEOS / EneJet:ENEOS
出光(IDEMITSU):出光興産
昭和シェル(Shell):昭和シェル石油
COSMO:コスモ石油
KYGNUS:キグナス石油
SOLATO:太陽石油

これら元売り以外にも、大手総合商社による「カーエネクス」「丸紅エネルギー」、JA全農が展開する「JA-SS」などがあります。また地方では免税軽油、営農灯油など農業経営に必要な燃料を幅広く手がける「ホクレンSS」など、地域事情に密着したGSや、ホームセンター、大型ディスカウントストアが敷地内に展開する独自ブランドもあります。

ところが、2019年7月ころから、そのブランドの比率が大きく変わってきました。それは、「エネオスホールディングス」が自らが展開する「ENEOS」「エッソ」「モービル」「ゼネラル」を、すべて統一したからでもあります。その理由は、同じ会社なのにブランドが4つあることが「わかりにくさ」につながっており、ブランドを統合し、共通のサービスを提供することで利便性向上を目指すことになったとのことです。

そもそも、4つブランドを持っていた背景として、実はエネオスホールディングスは、2017年にJXホールディングスと東燃ゼネラル石油(エッソ/モービル/ゼネラル)が統合したものです。そして、東燃ゼネラル石油は2000年、東燃(エッソ/モービル)とゼネラル石油(ゼネラル)の合併で発足しています。つまり複数のブランドを同じ会社が持つ背景には、経営統合が繰り返されてきたからになります。

そして、2019年4月に昭和シェル石油と経営統合した出光興産は、出光とシェルに分かれているブランドを2021年4月から「apollostation(アポロステーション)」に統一することにしました。

これは、同じような理由から止むを得ないことだと思いますが、実はある意味大きなニュースでもあるのです。日本国内でシェルのブランドがなくなることは、日本市場で外資系の石油元売りが展開するブランドがなくなることを意味します。以前、日本国内には欧州系のシェルのほか、米国系のエッソやモービルといった有名ブランドがありました。

しかし、1999年に米国でエクソンとモービルが合併したことから、日本でもエッソ石油とモービル石油が2002年に合併してエクソンモービル(日本法人)となりました。その後、エクソンモービルグループは東燃ゼネラルグループを経て、2017年にJXTGエネルギーとなり、現在はエネオスホールディングスとなっています。

ほかにも、外資系だけではなく、以下のように消滅していったブランドは数多くあります。

昭和石油:1985年にシェル石油と合併
シェル(Shell):1985年に昭和石油と合併
丸善石油:1986年に大協石油と合併
大協石油:1986年に丸善石油と合併
日本石油:1991年にスタンドをNISSEKIブランドに変更
NISSEKI(日石):1999年に三菱石油と合併後、2001年にENEOSブランドへ変更
共同石油:1993年にJOMOに変更
JOMO(ジャパンエナジー):2010年にENEOSに変更
三菱石油:1999年に日本石油と合併し、2001年にENEOS変更
三井石油:東燃ゼネラル石油に売却され、現在はENEOS
STORK(九州石油):2008年に新日本石油に吸収合併され、現在はENEOS
TAIYO(太陽石油):2008年にブランド名をSOLATOに変更
Express:2018年にEnejetに変更
ESSO:2019年にENEOSに変更
Mobil:2019年にENEOSに変更
ゼネラル:2019年にENEOSに変更

エコカーの普及によるガソリン販売の減少や地方の過疎化、昨今の車離れなどもあり、日本国内のガソリンの需要は2004年度の6148万kLをピークに毎年減り続けています。石油元売りの生き残り戦略として、合理化に向けて新たな再編があるかもしれません。

もはや日本にシェルやモービルなど外資系が復活することはないでしょうし、SSの数も減っていく可能性はあるでしょうね。

ちなみに、現在、私は我が家から約400m離れたシェルのSSを本拠地としています。今後、長澤まさみさんにするか、桜井日奈子さんへ乗り換えるか・・・。

世の中には、「だったらこうしよう。」と思えることがたくさんあります。

■外出の際は、手洗い、咳エチケット等の感染対策や、「3つの密」の回避を心掛けましょう。
■新型コロナウイルス感染対応を呼び掛けている場所やお店などがある場合は、指示にしたがいましょう。
■お出かけの際は、各施設、イベントの公式ホームページで最新の情報を確認しましょう。

私のブログにお越しいただいてありがとうございます。また、明日、ここで、お会いしましょう。

コメント一覧

まっくろくろすけ
eco坊主さん、こんばんは。

昔は、「日石(NISSEKI)」派でしたが、いつからか、「シェル」派です。

ガソリンの全国平均が約130.3円、鳥取県が約129.6円、海なし長野県は約139.4円とのことですが、近所のSSは今週末の会員価格が122円です。いつも、ここです。

長野県は車がないと不便ですし、高齢ドライバーに運転が楽なことが軽自動車の普及率が高い理由かもしれません。ただ、最近の軽自動車は高額化していますのでね・・・。
eco坊主
おはようございます。

何気に給油しているGSですが色々な変遷を繰り返しているんですね。
今の車社会だとGSが無ければ大変なことになりますし小売価格の上昇下降で一喜一憂している小市民の私です。
そういやぁ軽自動車普及率は長野県が1位になったんですね(2019年)
こんな所で長野vs鳥取が行われていたとは・・・(笑)
私は(妻も含め)「とんがった〇になれ」の会社です。


感謝の気持ちを常に抱き事実を見つめて冷静な言動をしながら「今」を生きます。
ここにお越しの皆様もどうかお気をつけください。
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