2023年10月にに埼玉県議会で自民党県議団から提案され、子育ての実態にそぐわないという理由で、すぐに取り下げられた「子ども放置禁止条例案」。
早い話が「子どもだけでの留守番」「公園で遊ばせる」「小学三年生以下の子どもたちだけで登下校させること」「子どもだけでお使いに行く」などを放置とみなし、これを虐待と定める「虐待禁止条例」の改正案。
まあ、家や車の中に子どもを放置してパチンコや飲みに出かけたり・・・などで悲惨な事件が起こったりしていることを考えると、それはそれで理解はできますが、ちょっとゴミ出し行くとか、共働きでどうしても子どもの送り迎えができないとかの事情がある家庭もあるはず。
考え方の根底には子どもの安全を確保という思いはあるのですが、一律厳禁というのはちょっと条例案としては厳しすぎて「翔びすぎ」だと思いましたけど。
ただ、海外で「子どもを1人にすること」について、いろいろな対応が取られています。
米国では「子どもを放っておくことができる法定年齢」が定められており、たとえばメリーランド州:8歳、オレゴン州:10歳、イリノイ州:14歳、一部の州では法律はないものの、ガイドラインがあるということです。
そもそも、米国では「子どもを1人で放置することは犯罪である」という考えが社会として持っているそうです。
そのためのインフラ、マナーや法律も整備されており、たとえば学校からの登下校には3つの方法しかなく、
・通学バスに乗せるときには大人がきちんと確認する。降ろすときも自宅の前で降ろして、保護者が出てきている人にきちんと渡す
・自家用車の場合、学校が運転手の顔を正しく知っていて、確認して乗せる
・保護者が日中家庭にいない子どもが学童のようなものに行く場合、警察が見守るなかで連れて行く
と決められており、さらには子どもが車にはねられないよう
・スクールバスが止まっていると後ろの車は追い越してはいけない
というスクールバス最優先というルールがあるということです。
イタリアでは、「14歳未満の子どもを放置すると懲役刑」なんていう法律があります。
「親がついていくことが常識」だそうですが、祖父母が対応してくれたり、ママ友などが手伝ってくれたり、とにかく子どもを1人にさせないことを徹底しているということです。
オーストラリアには法律はないものの、ビクトリア州では子どもの事故や事件を防ぐため、やはり子どもの送り迎えや遊ぶときなどに親などが一緒なのは常識なのだそうです。
いまの日本社会では子育て環境が整っていないなかで、子どもの安全確保を親にのみ強いるということが問題だったと思います。しかも、「こんな条例があるのだったら、子どもは育てられない」と考える人もいるでしょうし、ますます少子化社会が進んでしまうかもしれません。
そもそもベビーシッター利用なども少なく、残業や長時間通勤もある共働き家庭が多い労働環境で学校が終わる時間に親が迎えに行くということ自体が難しいと考えます。
ただ単に取り下げただけではなく、これをきっかけに、「定時で終わる働き方」「ファミリーサポートの利用」「学童保育の充実」「登下校時の安全確保」など、社会的に子育て環境を整えつつ、子どもの安全を守るにはどうしたらいいのかを親の責任だけでなく、社会全体で共有していくことが必要だと思います。
「翔んだ埼玉」で終わらないように。
本日も、拙文最後までお読みいただきありがとうございます。
今日という日がみなさまにとって、よい一日になりますように。
また、明日、ここで、お会いしましょう。それではごめんください。
早い話が「子どもだけでの留守番」「公園で遊ばせる」「小学三年生以下の子どもたちだけで登下校させること」「子どもだけでお使いに行く」などを放置とみなし、これを虐待と定める「虐待禁止条例」の改正案。
まあ、家や車の中に子どもを放置してパチンコや飲みに出かけたり・・・などで悲惨な事件が起こったりしていることを考えると、それはそれで理解はできますが、ちょっとゴミ出し行くとか、共働きでどうしても子どもの送り迎えができないとかの事情がある家庭もあるはず。
考え方の根底には子どもの安全を確保という思いはあるのですが、一律厳禁というのはちょっと条例案としては厳しすぎて「翔びすぎ」だと思いましたけど。
ただ、海外で「子どもを1人にすること」について、いろいろな対応が取られています。
米国では「子どもを放っておくことができる法定年齢」が定められており、たとえばメリーランド州:8歳、オレゴン州:10歳、イリノイ州:14歳、一部の州では法律はないものの、ガイドラインがあるということです。
そもそも、米国では「子どもを1人で放置することは犯罪である」という考えが社会として持っているそうです。
そのためのインフラ、マナーや法律も整備されており、たとえば学校からの登下校には3つの方法しかなく、
・通学バスに乗せるときには大人がきちんと確認する。降ろすときも自宅の前で降ろして、保護者が出てきている人にきちんと渡す
・自家用車の場合、学校が運転手の顔を正しく知っていて、確認して乗せる
・保護者が日中家庭にいない子どもが学童のようなものに行く場合、警察が見守るなかで連れて行く
と決められており、さらには子どもが車にはねられないよう
・スクールバスが止まっていると後ろの車は追い越してはいけない
というスクールバス最優先というルールがあるということです。
イタリアでは、「14歳未満の子どもを放置すると懲役刑」なんていう法律があります。
「親がついていくことが常識」だそうですが、祖父母が対応してくれたり、ママ友などが手伝ってくれたり、とにかく子どもを1人にさせないことを徹底しているということです。
オーストラリアには法律はないものの、ビクトリア州では子どもの事故や事件を防ぐため、やはり子どもの送り迎えや遊ぶときなどに親などが一緒なのは常識なのだそうです。
いまの日本社会では子育て環境が整っていないなかで、子どもの安全確保を親にのみ強いるということが問題だったと思います。しかも、「こんな条例があるのだったら、子どもは育てられない」と考える人もいるでしょうし、ますます少子化社会が進んでしまうかもしれません。
そもそもベビーシッター利用なども少なく、残業や長時間通勤もある共働き家庭が多い労働環境で学校が終わる時間に親が迎えに行くということ自体が難しいと考えます。
ただ単に取り下げただけではなく、これをきっかけに、「定時で終わる働き方」「ファミリーサポートの利用」「学童保育の充実」「登下校時の安全確保」など、社会的に子育て環境を整えつつ、子どもの安全を守るにはどうしたらいいのかを親の責任だけでなく、社会全体で共有していくことが必要だと思います。
「翔んだ埼玉」で終わらないように。
本日も、拙文最後までお読みいただきありがとうございます。
今日という日がみなさまにとって、よい一日になりますように。
また、明日、ここで、お会いしましょう。それではごめんください。