東京大学と言えば日本最高学府と言ってもいいと思っている国立大学です。
起源は1684年(貞享元年)に江戸幕府が設立した天文方と1858年(安政5年)に江戸の医者の私財によって設立された神田お玉ヶ池種痘所、1797年(寛政9年)に創設された昌平坂学問所(昌平黌)だそうです(なんだか判りませんが)。
その後、1877年(明治10年)に東京開成学校と東京医学校が合併して、出来たのが東京大学です。
「世界大学ランキング2013-2014」で第23位、アジア第1位だそうです。
さて、東京大学運動会硬式野球部は東京六大学野球連盟に所属する大学野球チームであり、東京大学の学生によって構成されています。
創部は1917年(大学認可1919年)。1925年に発足した東京六大学野球連盟初期からのチームです(なお、東京大学の前身の旧制第一高等学校には1872年創部の野球部があったそうですが、沿革には含めていないとのことです)。
日本のプロ野球よりも長い歴史を持っています。
六大学リーグが始まった当初から苦戦しており、優勝はなく、最高順位は1946年春季の2位が1回(最終戦の慶大戦に勝てば初優勝だった)。連敗、連続最下位などのリーグワースト記録のほとんどが東大だそうです(最後に最下位でなかったのは1997年秋季5位。最後の勝ち点は2002年秋季立大戦。2014年春季リーグ戦まで連続最下位は33シーズンと最長記録を更新中。また、連敗記録も76と記録更新中)。
そんな東大野球部ですが、勝敗以外にも話題には事欠きません。
2001年春季の慶大戦ではリーグ史上初の日本人女性ピッチャー竹本恵さんが初登板。明大の小林千紘さんと女性同士で投げ合っています。
また、1974年秋季の法大戦では江川卓さん(元;読売ジャイアンツ)に相手に勝ち、2010年秋季の早大戦では斎藤佑樹選手(北海道日本ハムファイターズ)相手に勝っています。
東大野球部出身者と言えばNHKニュースウオッチ9のメインキャスターの大越健介さん(単なる野球好きのオッサンじゃないのです)。右アンダースローで通算50試合8勝27敗、防御率3.52、142奪三振。この8勝は東大5位タイ。1983年には日米大学野球選手権大会の大学日本代表メンバーに史上初めて東大から選出され、マーク・マグワイア(元セントルイス・カージナルス)と対戦しています。
近年はチーム力向上のため、特別コーチとして谷沢健一さん(元;中日ドラゴンズ)、桑田真澄さん(元;読売ジャイアンツ)を特別コーチとして招聘しています。
以前の東大も1981~1984年の大越さん時代は4年間で24勝、1992~95年の高橋崇展さん(通算7勝)、1996~1999年遠藤良平さん(通算8勝)の8年間では27勝。
つまり、東大のカギを握るのはピッチャー。絶対的エースがいれば、守りに計算が成り立ちますし、打線が少ない得点しか奪えなくても勝利できる可能性があります。今の東大には絶対的なエースの存在がないからだと考えます。
そんなピッチャー陣立て直し役の桑田さんは「2ストライクからの勝負球」を指導しているとのことですが、関係者は「うちのピッチャーは2ストライクが取れない」とのこと。また、「最高の頭脳を持つ選手達に“考える野球”が出来ない訳がない」とも桑田さんは言っています。
以前は「東大は頭がいいから、何か考え、何か仕掛けてくるに違いない」と脅威を感じていたそうです。実際、東大はいろいろなことを仕掛け、守備陣形の穴をつくセーフティバントをしたり、ホームベースぎりぎりに立ち、ボールを見極めたりする、“嫌らしさ”があり、「東大に勝って当たり前。だからこそ、もし負けたら」というのがプレッシャーでもあったそうです。その頃に比べると今は正直すぎるとのことです。
昔から六大学を取材している編集者は「試合後、以前はバスで一緒に帰っていましたが、今は着替えてそれぞれに帰っています。シャワーを浴びたり着替えたりしてリセットしてしまうのかもしれません。ですが敗戦後、出てきて球場外で家族と和んでいる姿を見ると、ちょっとなあ……、と思ってしまう。東大に限らず最近の子は切り替えが早い。それが悪いとは言わないのですが、こう勝てないと、ユニフォーム姿のまま悔しさも詰め込んでみんなでバスに乗って帰ったほうがいいのでは、とも思います」と言っているほどです。
また、「今春の開幕戦の試合前、球場の外で東大の選手たちがアップするとき、レギュラー選手の一人が堂々と大あくびをしていた。六大学で野球をやれるのは凄いことなのに、その選手は価値をわかっていない。そんな場面が象徴するように、今の東大は気持ちがたるんでいます」との別のフリーライターも言っているほどです。
「根性がクソ弱いチーム」じゃありませんが、負ける悔しさはないのでしょうか。
ただし、日本には昔から“判官びいき”というのがあります。弱いチームが強いチームに立ち向う姿は日本人の琴線に触れます。
また、高校時代の有名選手らと比べて、東大は選手の4年間の伸び率が高く、下手くそだった選手が上級生になって上手くなるのを見るのが楽しみだそうです。
東大と同じ受験最難関校の西の雄である関西学生野球リーグの京都大学。
今年の春季リーグで同志社大に勝ち、2002年秋季の立命大戦以来23季ぶりの勝ち点を挙げています。
京大に出来て東大に出来ないことはないでしょう。
「見返してやるんだ」という強い気持ちを持って、勝利を手にして欲しいと考えます。
(太郎に「東大に入って、野球部強くしてやればいいじゃん」と言ったら「俺には入れる頭がねえ」と・・・)