人は生きている間に、いろいろな物事を決断しなければならないことや、その場面に遭遇することがたくさんあります。
お昼に何を食べようかと迷うことだってそう。この決断する基準は人それぞれなもの。
「決断とリスクはワンセットである。日本の社会は、同質社会ということもあって、このバランスが悪いと思う。・・・決断を下さないほうが減点がないから決断を下せる人が生まれてこなくなるのではないか」
ただ、人はどちらかというと、今まで生きてきた経験を元に決断することが多いと思います。
それも、自分の経験がベースになります。
「経験にはうまくいかなかったことも多く含まれる。それが大きく膨らんで自分の思考を縛ることもある。マイナスの経験に打ち勝てる理性、自分自身をコントロールする力を同時に成長させていかないと経験を活かしきるのは難しい」
決断した結果において、成功だったのか失敗だったのか、幸せになったか不幸になったかは、自分の身近の誰かを基準にして、どうなのかを決めていることが多いと思います。
だけど、その基準となる誰かは、いつも同じとは限りませんし、同じ条件だとも限りません。
いつも、最新の情報を元にしているかといえば、そうでもありません。
「(釣った鯛をたとえに)じっと見ていてもすぐには何も変わりません。しかし、間違いなく腐ります。どうしてか? 時の経過が状況を変えてしまうからです。だから今は最善だけど、それは今の時点であって、今はすでに過去なのです」
また、決断する際に考えすぎてしまうとミスも多くなるのも事実。
データーや経験ばかりに頼っていると、自分の考えというものがなくなってしまいます。
「長い時間考えた手がうまくいくケースは非常に少ない。・・・考えてるというよりも迷っている」
直感の7割は正しいと言われています。逆にミスには面白い法則があるという。
また、情報を得るために重要なのは選ぶことよりも捨てることともいう。
「ロジカルに考えて判断を積み上げる力も必要であると思うが、見切りをつけ、捨てることを決断する力も大事だと思っている」
人はそれぞれ、才能を持っていると思います。それに気が付いていないだけの人は多いと思います。
それに気付いたとしても、どう発揮するべきなのか、判らないこともあるかも知れません。
「以前・・・才能は一瞬のきらめきだと思っていた。しかし今は、十年とか二十年、三十年を同じ姿勢で、同じ情熱を傾けられることが才能だと思っている」
羽生善治の思考 価格:¥ 1,260(税込) 発売日:2010-11-29 |
羽生善治
1996年2月14日に将棋界で初の7タイトル独占を達成。
将棋史上最強格の棋士の一人に挙げられる人物。
読書の秋になりました。
野球以外での一線で活躍する人の本も面白いものです。
天才・羽生善治の言葉を読み返してみました。
「温存しとこうとか、あとで使おうというのはダメで、今持っている力は早く使い切ったほうがいい。」
最初からセーブしていて、時期を見て力を発揮しようとしても、使い時がないまま終わってしまうこともあります。
人生も同じことが言えると思いました。