東日本大震災で被害に遭われた方に、心からお見舞い申し上げます。また、一日も早い復興をお祈りいたします。
Jリーグは臨時実行委員会で3月に中止になった公式戦をJ1・J2ともに4月23日に再開。また、4月中は東京、東北電力の管内でナイター試合をしません。被災したJ1仙台と鹿島、J2水戸はアウェー戦も含めて再開が遅れる可能性もあるといい、アウェーを続けたり、別会場でホームゲームを行ったりすることも検討しているとのことです。
中止試合は、日本代表が招待参加する南米選手権の7月を充てて、さらに平日開催を増やして対応するそうです。場合によっては南米選手権への出場辞退もあり得るとのことです。また、ナビスコ杯は予選リーグをやめて初戦からトーナメント方式にする案も出ています。天皇杯などの日程も組み直すこともありえるとのことです。
これらの素早い判断、決定と全チームの同一歩調。
社会情勢を考え、国民の意思を考え、サポーターへいち早くメッセージを出したJリーグ。
素晴らしい組織だと思います。
一方、セ・リーグが一旦延期した29日の開幕を再度見直し迫られたことに対して、某球団オーナーは「開幕はお上(政府)が決めることじゃない。節電に協力しろということでしょう。(4月12日への開幕延期など)パ・リーグが先行して色々決めているようだが、そうはいかない。交流戦がいらないなら、いろいろ組み合わせはできるけど」と言い放っています。
これに対して、被災地が本拠地である楽天の島田オーナーは「被災者の気持ちを最大に配慮する。選手会の理解も得られないといけない。1球団の利益をうんぬんしている場合ではない」と言い切り、会見後の囲み取材でも「そろそろいいですか」と報道陣へ質問の終了を促す関係者に対し、逆にストップをかけ、「大丈夫だから。大事なことだから、全部質問を受ける」と、質問がすべて終わるまで懇切丁寧に答えています。
前出の某球団オーナーとは立場が違うでしょうけど、対応する姿勢や考え方などは天と地ほどの差があると思えます。
また、選手会長の阪神新井選手は「本当にそういうことを言われたんですか」と報道陣に確認し、「それが本当なら…もう、悲しいです」と怒りをとおり越して悲しんでいました。
確かに、プロ野球選手は野球することが仕事であることは事実です。
その仕事を全うするのが勤めでだから致し方がないこともあるとは思います。
ある球団の選手会長は「試合数が少なくなって、その分給料は減っても構わない」とも言っています。
また、企業としても何でも自粛では成り立たないことも判ります。
日本シリーズの日程に間に合わないとかの問題もあるようですが、日程ありきで物事を進めているからこうなってしまう。
日本シリーズなんか、まだ先のこと。日程なんてどうにでもなることでしょう。
第一、今、この前出のオーナーは子どもたちに納得できるような説明が出来るのでしょうか?
パ・リーグのある監督はセ・リーグへ「世論というものがある。空気を読まなアカン」と注文しています。
ようやく、この問題は3月25日⇒3月29日⇒4月12日へ二転三転の結果、開幕日調整されましたが、一部球団の主導によるゴリ押し、それに正面から異を唱えられない他球団。このセ・リーグの迷走ぶりによる印象の悪さと、コミッショナーの判断力・決定能力のなさには後味の悪いものだけが残ってしまいました。
決定に際して、選手会新井は「大変大きな決断をしていただき、感謝しています。144試合とクライマックスシリーズ、日本シリーズを必ずやりとげます。真剣に野球をする姿で、被災者の方々を少しでも勇気づけられるようにしたい」と涙ながら話しています。今回のこと、ファンのこと、選手のことを考えてのことだと思います。
野球が大好きなんだなと、伝わってきます。
一方、「ベストでもベターでもないが、唯一これが選手の気持ちとか、政府の指導、要請に沿うとなれば、その道をとるべき。選手会は日程が12月にずれ込んでも協力すると約束してくれた。これは今までなかったこと。その覚悟があるなら応えよう」と某球団代表。
さらに「報告は聞いた。いずれにしろ、あさってのオーナー会議で全部言いますから」と某オーナー。
なんとも言えません。
いくら、プロ野球が日本国民の大きな関心事であり、人気があるにしても、このような奢り高ぶった態度をとっているようなであるならば、伝統ある、その球団は遅かれ早かれ衰退していってしまうかもしれません。
いち野球ファンとすれば、そんなことは非常に悲しいことでもあるし、将来プロ野球選手を目指している子どもたちにとっても悲しいことだと考えます。
一部の傲慢な大人たちの理論だけで、今の日本、将来の日本の夢の芽を摘むようなことだけはして欲しくないと切に願っています。