2022年2月24日にロシアがウクライナへの攻撃を始めました。このとき、米国ニューヨーク市にある国際連合(国連)の安全保障理事会(安保理)の緊急会合が開かれており、出席国が攻撃をやめるよう呼びかけている最中に、常任理事国であるロシアが攻撃を開始するという状況でした。
事務総長:ウクライナへの攻撃を中止するよう心の底からいいたい
ロシア国連大使は:特別作戦の目的は、ウクライナ政府から大量虐殺を受けている人々を守ることだ
ウクライナ国連大使:戦争を止めるのが安保理の役割だ。いまプーチン大統領やラブロフ外相に電話して侵攻をやめさせろ
ニュースでも報道されましたが、緊急会合の終了後の国連アントニオ・グテーレス事務総長が目に涙を浮かべながら改めてプーチン大統領に呼びかけた姿が、やるせなさを感じました。
事務総長:プーチン大統領、私はあなたにいわなければならない。人道の名の下に今世紀最悪となる可能性のある戦争を欧州で始めるな
昔、社会で勉強したと記憶していますが、国連とは第二次世界大戦を防ぐことができなかった国際連盟(1919年~1946年)の反省により、米国、英国、ソビエト連邦(現;ロシア)、中華民国(現;中華人民共和国)などの連合国が中心となって、1945年10月24日に設立された国際機関です。
国連の目的は国連憲章1条に掲げられている次の3つです。
国際平和・安全の維持
諸国間の友好関係の発展
経済的・社会的・文化的・人道的な国際問題の解決のため、および人権・基本的自由の助長のための国際協力
これらの目的を達成するため、国連では「総会」「安全保障理事会(安保理)」「経済社会理事会」「信託統治理事会」「国際司法裁判所」「事務局」の主要機能をもっています。
そのなかの安保理は、15ヶ国で構成されており、現在は米国、英国、フランス、ロシア連邦、中国の5ヶ国が常任理事国、それ以外の10ヶ国(総会で2年の任期で選ばれる)の非常任理事国で構成されています。
毎度のことながら、この安保理が機能しない(というよりも、できない)のが問題だと考えます。
各理事国は1票を有し、手続事項に関する決定は15ヶ国のうち9ヶ国の賛成があれば採択されるのですが、重要問題である実質事項の決定については、常任理事国が拒否権を持っているため1ヶ国でも反対すると成立しないのです。
ただし、「紛争の平和的解決および地域的取極、またはは地域的機関による地方的紛争の平和的解決に基く決定については、紛争当事国は投票を棄権しなければならない」となっているのですが、実際には自国の国益偏重により拒否権行使となっています。
やはり、個人的には安保理においては、当事国の投票は無効にするような仕組みは必要かなと考えます。
今回も、安保理の非難決議案は2月25日に採決を行い、開催に必要な9ヶ国を超える11ヶ国が賛成。ロシアが拒否権(反対)を行使、中国とインド、アラブ首長国連邦が棄権しています。
これに対して、米国などから、どの国も拒否権を持たない国連緊急特別総会に同様の趣旨の決議案を持ち込むこととしました。
過去に、緊急特別総会は安保理が常任理事国の拒否権行使などで機能しない場合に活用されており、英国、フランスとイスラエルがエジプトに侵攻したスエズ動乱(1956年)や、ソ連のアフガニスタン侵攻(1979年)など、10回招集されており、パレスチナ情勢を巡り加盟国の過半数の同意で招集された1997年以来であり、安保理の要請に基づく招集は、中東情勢を議論した1982年以来のことです。
安保理決議については、すべての国連参加国に対して履行義務があるのですが、総会決議に法的拘束力はありません。ただし、国際社会として政治的な重みはあると考えます。
本日も、私のブログにお越しいただいてありがとうございます。
今日はどのような一日になるのでしょうか。または、どのような一日を過ごされたのでしょうか。
その一日でほんの少しでも楽しいことがあれば、それを記憶にとどめるように努力しませんか。そして、それをあとで想いだすと、その日が明るくなる、それが元気の源になってくれるでしょう。
それを見つけるために、楽しいこと探しをしてみてください。昨日よりも、ほんの少しでも、いい一日でありますようにと、お祈りいたしております。
また、明日、ここで、お会いしましょう。