あらゆるスポーツにおいて、チームにはキャプテンという役割が与えられた選手がいます。
単にキャプテンと言うとマンガを思い出すのですが、野球でのキャプテンと言うと甲子園での選手宣誓が印象にあります。
ただ、プレー中でのキャプテンと言うとどうしてもサッカーを最初に思い浮かべてしまいます。
2004年のサッカーアジアカップでのヨルダンとのPK戦。1人目の中村俊輔選手と2人目の三都主選手が立て続けに外してしまったシーンです。
ここで、当時の日本代表キャプテンの宮本恒靖さんが主審と話をします。
その後、PK戦は反対側のゴールへ移動することになりました。
結果的には川口能活選手のスーパーセーブもあって、日本の逆転勝ち。
しかし、この試合でのMVPはキャプテンの宮本恒靖さんではないでしょうか。
PK戦で最初に2本外れてしまったことで、半ば諦め気味だったのが、反対側のゴールでPK戦が行なわれることによって、「何かが起こる」と期待させてくれる展開となりました。
ピッチにいる全員も、ベンチにいるスタッフ・メンバーも当然のことながら、スタンドやTVの前で応援している私たちにも、あの行動が力を与えてくれたような気がします。
PKを外した2人に迎えに行って元気づける。
「まだ、大丈夫だ」(と言ったかどうかは判りませんが)
グラウンドの状況を見て、チームのために、勝利のために主審に場所移動を提案。
「最後まで諦めるな」(と言ったかどうかは判りませんが)
2本のPKを止めた川口選手に向かって最初に駆け出す姿。
「よくやってくれた」(と言ったかどうかは判りませんが)
キャプテンとしての理想的な行動。
このときの宮本さんの選手をまとめる強いリーダーシップ、監督と選手の仲介、審判と選手の仲介などなど・・・そこには技術や能力だけではないものが必要だと考えます。
何より大事なのは行動力に基づく信頼。
その人をどれだけ信頼してくれて、メンバーがついてくるか、来てくれるか、来させるか。
「キャプテンの条件」
それは
「メンバーに尊敬され、話し合うことができ、監督の戦略やアドバイスを理解し、それをメンバーに伝えられる。苦しい試合でも自信を失わず、率先して嫌な役を引き受けられる」
ということでしょうか。
