十文字学園女子大の新行内康慈・准教授(応用統計学)が1999年に現帝京科学大の宮津隆・名誉教授(同)と共同で論文「野球における統計的解析-ジンクスと国民性」の中で
「野球という競技は本質的に後攻が約0.3点有利」
「延長戦でも決着がつかない場合は、ハンディを考慮して先攻の勝ちとしたらどうか」
と発表しています。
この根拠は高校野球の選抜第1~65回大会と全国選手権第1~75回大会(第4、27、71回大会を除く)の試合データから、先攻と後攻のそれぞれの勝利数や平均得点を割り出したものだそうです。
勝利数と平均得点では選抜も全国選手権も後攻が先攻を上回る数字がでていたそうです。
選抜・先攻勝数 708勝 / 後攻 780勝
全国・先攻勝数 991勝 / 後攻 1135勝
8回までの平均得点(九回は裏の攻撃がない場合があるので除外)
選抜・先攻平均得点 2.8点 / 後攻 3.1点
全国・先攻平均得点 3.1点 / 後攻 3.4点
ただし、「後攻が精神的に優位」との説がある延長戦はちょっと違っています。
選抜・先攻勝数 67勝 / 後攻 67勝
全国・先攻勝数 991勝 / 後攻 1135勝
しかし、ここ数年の傾向は違っているようで、選抜の最近5年のデータでは
先攻勝数 83勝 / 後攻 76勝
になっています。
「期間を区切って見れば、作戦のトレンドなどが影響して違った傾向が出ることも十分に考えられる」
秋以来、久々の公式戦となる選抜は、投手力が問われる大会だと言われています。
ほとんどの試合が先行逃げきりパターンの作戦を取っています。
全国選手権で後攻有利の分析については、上記のとおり、平均得点が選抜時よりも高いこと、得てして各チームの打力が向上しているほかに、投手が地方大会からの連戦や暑さによって疲れており、打撃戦になることが多いことを挙げている。
時期を考えながらの先攻・後攻の使い分けは面白いかもしれません。