野球小僧

シーチキンの恩返し

今まで日本では、お魚さんの缶詰といえば「ツナ缶」でした。つまり、それは生産量でシェアナンバーワンの「シーチキン」になります。

シーチキンとは、静岡県静岡市に本拠を置く水産加工品製造販売の「はごろもフーズ」が製造する「マグロ」または「カツオ」の「油漬け」、もしくは「水煮」の缶詰の商品名です。名前の由来は、マグロが海の鳥と呼ばれていることからになります。

マグロ油漬け缶詰は1903年に米国で発明され、日本では1931年に、はごろもフーズの前身である後藤缶詰が製造を始めましたものです。

しかし、最近ではこのシーチキンの牙城が崩れ、DHAなどの栄養成分が高いということで大ブレイクした「サバ缶」の生産量が増加して、ついに2016年にはツナ缶を抜いてトップに立ち、以降、首位独走しています。

2018年度 水産品缶・びん詰の国内生産数量統計(日本缶詰びん詰レトルト食品協会)
サバ缶・びん詰:約4万9,000トン
まぐろ・かつお類(ツナ缶):約3万1000トン

シーチキンの本家である米国でもツナ缶は劣勢状態だそうです。日本以上にこの傾向が顕著であり、米国農務省によると、人口1人当たりのツナ缶の消費量は過去30年間で42%も減少しており、時代遅れになりつつあると報じられています。

さて、そのシーチキンのはごろもフーズが、2019年に火災で焼失した沖縄・首里城復元のために1億円を寄付すると発表しました。

「弊社は、沖縄県と強い結びつきを持ち、日頃から多くの製品をご愛顧いただいております。沖縄県の象徴である首里城が焼失したことにより、県民の方々は大変心を痛められていると存じます。今回、首里城の復元に少しでもお役にたちたいとの思いで、寄付を申し出た次第です。なお、当社は2021年5月25日に創業90周年を迎えます。今回の寄付は、皆様のおかげで迎えることができる事への感謝も込めて、創業90周年記念事業の一環として行うものです。」

なぜこんなに気前がいいのかというと、これは「沖縄県民への恩返し」なのだそうです。

実は米国文化の影響が強い沖縄は、シーチキンの消費量が全国一なのだそうです。チャンプルーなど沖縄料理にはツナが欠かせないということで、各家庭で必ず常備しており、箱買いも珍しくないそうで、県民1人あたり消費量は全国平均の4倍にもなるとのことです。

確かに、夕飯で食べた「ソーミンチャンプルー」に、入っていました。

なお、ひとくちにシーチキンといっても魚肉の形状と調理の方法によって多くの種類があります。そして、実は原料の魚は3種類あるのです。

びんながまぐろ:白くて味も淡白なのが特徴です。マグロ缶詰(油漬け他)の最高級の原料とされています。
きはだまぐろ:やわらかく刺身等にも利用されていて、缶詰には10kg~30kg位のものが原料として広く使われています。
かつお:鰹ぶし、刺身、タタキ、なまり節等に広く利用されており、肉質は赤身でやわらかく、おいしい魚の代表です。

私には味の違いがよくわかりませんが、値段の違いはよくわかります。

少しでも復元が早まり、再び首里城を見ることができる日が訪れることを多くの人が願っています。

コメント一覧

まっくろくろすけ
eco坊主さん、こんばんは。

熱々ご飯に、シーチキンを載せて、マヨネーズと醤油で食べるのが好きでした。今は、シーチキンを全然食べておらず、鯖缶をよく食べています。それが売り上げの逆転につながったのかも知れませんけど。

あとは、鯨とか馬肉の大和煮も好きで、肉系の缶詰も私としては守備範囲です。

要は缶詰好きなのです。
eco坊主
おはようございます。

シーチキンは時々サラダに混ぜて出てくるぐらいですね~食するのは。
鯖缶は味噌煮と水煮が無性に食べたくなることがあり買います。
頻度的には五分五分でしょうか、我が家の食卓では。
尤も地域柄魚は缶詰より生か自宅調理が主ですからね(笑)
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