以前の新聞に次のようなQ&Aがありました。
(答えているのは元慶應義塾大学野球部監督 江藤省三さんです)
【質問】
学童軟式野球をしていた6年生の息子がいます。中学からはシニアで硬式をやろうと、いろいろなチームへ体験に行っています。どんな点を重視して選べばいいでしょうか。
【答え】
学童軟式から中学硬式になると、野球が大きく変わりますから、それに対応できるかどうかを考えて選ぶのがいいと思います。
シニアは
(1) ベース間の距離が大人と同じ27・43メートルになる
(2) バットとボールの重さ、大きさ、長さの規格が大きくなる
(3) グラウンドが広くなって外野手の肩の強さが必要になる
-など、学童とは違うので、自分の体格、体力、強さが厳しい練習についていけるかどうかが大事です。
次に投・打・守・走のレベルを考えましょう。息子さんのレベルはお父さんが一番わかっていると思います。私の周囲(神奈川)では全国レベルのチームが競い合っていますが、能力以上のチームに入ったばかりに挫折した選手が少なくありません。それよりも少しランクを下げて、試合経験を積み、高校への基礎をつくるのも一つの選択肢と思います。
私は厳しさの中にも楽しく過ごせるチームを選ぶのが一番いいと思います。練習が楽しくなければ、技術はレベルアップしません。楽しいから練習する、練習するからうまくなる、うまくなるともっと練習をする。このサイクルが野球の原点なのです。中学時代にこのサイクルを身につけると高校、大学で必ず役に立ちます。
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中学でシニア・ボーイズなどの硬式野球へ進むか、部活動を中心にした軟式野球へ進むか。
既に決めた子もいるでしょうし、これから決める子もいることでしょう。
私は江藤さんの回答の最後の方にある「楽しく過ごせる~」が一番のポイントだと考えます。
硬式と軟式の違いはありますし、どちらもメリット(長所)、デメリット(短所)はありますが、三年間(正確には二年数ヶ月)やりきるかどうかです。
硬式野球では専門的な方から技術的なことを教わることが出来、高校野球を目標とした場合の近道であることは違いないと考えます。
私の場合、子どもたちが軟式野球でしたので、そこで得たメリットはたくさんあります。
たとえ、軟式野球であろうとも、練習を積み重ねて上手くなって行けば、高校へ進んでからのポイントを掴むことが容易になるでしょう。また、教えてくださる先生も高校、大学で野球を続けて来ている専門性も持っていますから、軟式、硬式での技術的な違いはありますけど、大差はないと考えます。
また、野球観を学べるということでは、練習試合では主審以外の審判を行い、客観的な目で試合を経験することが出来ますし、スコアブックへの記録も自分たちで行い、相手チームの分析する目を養うことも出来ます。
軟式で部活を選ぶ最大のメリットは(ほぼ)毎日野球が出来ると言うことにつきますし、いつも、どんな時でも仲間がが近く(学校)にいるということでしょう。
どちらにしても、中学生以下の野球人口が増えて行って欲しいと願っています。