「肩」、「送球」、「守備」、「打撃」、「足」、「走塁」、「センス」、「将来性」。
プロ野球のスカウトは年間200試合近く、考課シートに5段階評価の数字を書き込むそうです。
あるスカウトは「スピードガンを持たずに、選手がコンスタントにどれほどの力を持っているか確かめに、試合に日参しています。性格、技術を観察し、ピッチャーにはスピードを求めません」と言います。
2012年は大阪桐蔭高の藤浪晋太郎選手、花巻東高の大谷翔平選手という超高校級のピッチャーがいました。その大谷選手について
「190cmの体で、手足が長く、筋肉が柔らかい。その体があって、160km/h投げられる。凄い。しかしぼくら、雨で順延がつづいて、危惧しとったんです。集中力は?持続力は?各バッターに強弱をつける、ストライクゾーンの四隅を投げ分ける技術や精神は?」
と評しています。
大谷選手は決勝戦で5失点。最速156km/h、15奪三振。ですが、盛岡大附属高の四番に外角高め148km/hをレフトポールぎわに3ランホームランを打たれ、その後、変化球を乱し、直球を狙い打ちされ、八回3分の2で降板でした。
このスカウトが求めているのは
「ピッチャーに、大谷のようなスピードは求めん、140km/h出せればええんです。それより、いかに狙ったとこにボールを持っていくかという技術の高さと、感謝の気持ちや正しい返事ができる人間性が大事です。技術のない者はキャンプで終わる。技術を持ち、自分の欠点に気づき、教えられずに自己矯正できる者が一軍に行けるんです」
と分析しています。
毎年、プロ野球の門をくぐる大勢の金の卵がいます。でも、その中から一軍で活躍するのは数少ないものです。
子どものころからエースで四番だった者ばかり。初めてプロ野球選手の間近で投げる。力んで、バランスを崩す。そのまま自分の力を出しきれない。
この壁を乗り越えさせるのも、スカウトの大事な役目なんだそうです。