野球小僧

事件は真冬の札幌で起こった!

「事件は真冬の札幌で起こった!」

1984年2月3日。新日本プロレスの金曜午後8時からのゴールデンタイムでテレビ朝日系「ワールドプロレスリング」の生中継。オープニングマッチとして、WWFインターナショナル・ヘビー選手権 王者・藤波辰巳選手 vs. 挑戦者・長州力選手の一戦。挑戦者の長州選手が入場する花道で、流血した額にタオルを巻いた藤原喜明選手が鉄パイプを持って、長州選手を襲うという、「雪の札幌・藤原テロリスト事件」がありました。

藤原選手の襲撃で大流血となった長州選手がフラフラになってリングに登場。いつの間にか現れていた藤波選手も現れ、戦意喪失状態の長州選手に攻撃を仕掛けます。しかし、これには新日正規軍、維新軍の両セコンド陣が割って入り、解説の山本小鉄審判部長もリング内に入り、大混乱の結果、予定されたタイトルマッチは「試合不成立」となります。

実力がありながらも当時はまだ前座を温めているような藤原選手でしたが、これをキッカケにメイン戦線に躍り出ることになります。藤原選手はテロについては多くを語っていませんが、「あれはオレの人生を左右したものすごい出来事。人生、チャンスは1回あればいい方で、2回はないから」と言っています。そして「殺気は出すもんじゃない。出るもんなんだ」とも言っています。

当時の新日本プロレスは、雪祭りでにぎわう2月の札幌大会が恒例でしたが、中島体育センター別館が2000年に閉館し、月寒ドームでの開催も2006年を最後に興行はありませんでした。

それが2017年に「復活!雪の札幌決戦」として、北海道立総合体育センター北海きたえーるで興行を再開しました。メインイベントではオカダ・カズチカ選手の持つIWGPヘビー級王座に、元・藤原組の鈴木みのる選手が挑みました。プロレスリング・ノアに出向していた鈴木軍が新日本プロレスに出戻りして、いきなりIWGP挑戦というのに違和感はありました。

そして、2018年1月27日・28日と「THE NEW BEGINNING in SAPPORO ~雪の札幌2連戦~」が開催され、2大タイトルマッチと2.10大阪の前哨戦を中心に、寒さを吹き飛ばすような熱闘が繰り広げられました。

27日のメインイベントではIWGPインターコンチネンタル王者の棚橋弘至選手が、鈴木みのる選手を相手に5度目の防衛戦。鈴木選手の執拗な関節地獄に苦しんだ棚橋選手でしたが、意地を発揮して応戦。しかし、鈴木選手は棚橋選手の右ヒザに狙いを定めると執念深く徹底的に破壊。最後はゴッチ式パイルドライバーからのヒザ十字で完全に動けなくなった棚橋選手を見て、レフェリーが試合をストップ。鈴木選手がインターコンチ初奪取に成功しました。

28日の二日目のメインイベントではIWGP USヘビー級王者のケニー・オメガ選手がジェイ・ホワイト選手を相手に5度目の防衛戦。ケニー選手は自身のユニットへの勧誘を拒否したジェイ選手に対し、制裁のように厳しい攻めを見せる。劣勢のジェイ選手でしたが、終盤息を吹き返すと片翼の天使をブレードランナーに切り返し、見事ベルトを奪取。試合後、BULLET CLUBに内紛騒動が起こると、飯伏幸太選手がケニー選手の救出に登場し、抱擁をかわしました。

1月初めのレッスルキングダム12での棚橋選手、ケニー選手の防衛戦を観る限り、この防衛戦ではベルトの移動はないと思っていましたが、まさかの2夜連続のメインイベントでの防衛失敗。雪の札幌で事件は起こりました。

雪の札幌事件の本家・藤原選手と鈴木選手はかつて新日本プロレス、UWF、藤原組で師弟関係でした。よって、鈴木選手には「何をするか分からない」という雰囲気もよく似ています。その鈴木選手は1月4日後藤洋央紀選手に敗れ、NEVER無差別級王座を失い、リング上で禊の断髪を自らの手で断行したのですが、3週間も経たずに位置付けとしてはワンランク上のIWGPインターコンチネンタル(IC)王座の白いベルトを腰に巻く姿を想像できませんでした。

鈴木選手は今年6月で50歳になります。現在でも多くの選手が40歳も後半になりますと、メインイベンターから第2グループへ、試合順も早くなっていく中で、鈴木選手は今なお憎たらしく恐ろしい程の殺気とともに、メインイベンターへの道を今なお登り続けています。

今回のICタイトルマッチは毎回批判される軍団の介入はありませんでしたが、タイトル戦前に棚橋選手のパフォーマンスを落とすために準備し続けてきています。1月5日にはまだタイトルマッチが決まっていなかったものの、棚橋選手のヒザを徹底的に狙い、タイトルマッチ実現にこぎつけると、さらに、執拗にヒザを狙い続け、タイトルマッチに合わせたように棚橋選手のヒザに限界が訪れ、足4の字、ヒールホールド、ヒザ十字と残酷なまでのヒザ攻め、さらにフィニッシュのゴッチ式パイルトライバーを決めてなおヒザ責めでした。

そして、鈴木選手は「まだいるだろう、このオレの頭を踏んづけてるヤツらが。さあインターコンチネンタルは何番目のベルトなんだ。言ってみろ、俺も良く知っているし、客もよく知っている、オマエのところに行く。これは手形だ。通行手形だ」と言っています。つまり、単なる通過点だと言っているのです。

ターゲットは、オカダ・カズチカ選手のIWGPヘビー級王座ということです。そして、ベルト奪取ともなれば、昨年、新日本プロレスに出戻りして、いきなりIWGP挑戦にたのは事件のプロローグであったといってもいいかも知れない出来事だとなります。

そして、50歳にしてのIWGP戴冠は、GHCヘビー級王座、三冠ヘビー級王座に続く日本のメジャータイトル完全制覇ともなるのです。鈴木選手にとっての盟友、高山善廣選手が実現したグランドスラム達成です。


コメント一覧

まっくろくろすけ
eco坊主さん、こんばんは。
単に数合わせのための登場でして、何の深い意味のない、大人の事情なのです。北海道つながりは偶然なのです。何しろ、次回?次々回?は3連単でいかねばなりませんので。

でも、まあ、あの年齢で第一線を張っているのですし、ほかの同年代のレスラーもやる気が出てきていいと思いますよ。

「楽しいですよ。楽しくない時代、俺にはないですね。嫌な思いでも楽しかったって、いま思いますもん。」
eco坊主
おはようございます(*Ü*)ノ"☀

このために昨日の北海道学生野球連盟?んなわけないか!
鈴木みのる選手の実力は知っているのですがやり方が気に入らない!
確かに今回のICは乱入なかったけどそれまでの前哨戦がね~
いつも若手へ暴行しているし!

みっつ言わせてください。
ひと~つ、IWGP heavyは遠いぞ
ふた~つ、鈴木みのる選手に金の雨は降らすことはできない
み~っつ、特にありません
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