今年の5月に出張に行った中国のホテルのTV(NHKプレミアム)を見て、はまりました。それが、4月にレギュラー放送が始まった「チコちゃんに叱られる!」(NHK総合 毎週金曜 午後7時57分~ / 再放送 毎週土曜 午前8時15分~)です。
どちらかというと、金曜夜8時台の本放送ではなく、土曜朝8時台の再放送の方を見ている方です。世の中も同じような傾向があるらしく、再放送の方が視聴率が高いという逆転現象が起こっているそうです。理由としては、連続テレビ小説「半分、青い。」の直後の時間帯に放送されているというのも高視聴率の要因とも、考えられているようですが、やっぱり番組自体の面白さがあると思います。
「チコちゃんに叱られる!」は、日本人なら知っているはずの日常に潜む素朴な疑問をテーマにした雑学クイズバラエティです。スタジオで、おかっぱ頭の1頭身くらいの5歳の少女「チコちゃん」が、ナインティナインの岡村隆史さんやゲストたちに質問を投げかけます。
例えば「年度が4月から始まるのはなぜ?」「人と別れるときに手を振るのはなぜ?」「セピア色のセピアって何?」「大人になるとあっという間に1年が過ぎるのはなぜ?」というような、改めて考えてみると答えがよくわからない問題です。
そんなチコちゃんの質問に対して答えられないと、チコちゃんの決め台詞、「ボーっと生きてんじゃねーよ!」と叫ばれるのです。その後、正解が告げられ、VTRでその詳細が明かされます。
確かに、ほぼ毎日を「ボーっと生きている」からか、当たり前のことを疑問に思わず、日々無風であることを祈っている私なのですが、チコちゃんに叱られることで、知っているつもりで知らないことが世の中にはたくさんある、ということに気づかされます。
以前こんな問題がありました。
「親と一緒に過ごせる残り時間は?」
現在の家族関係について研究している関西大学社会学部教授保田時男さんによると、親と離れて暮らしている人が、1年間で親と会う日数は、お盆に3日、お正月に3日など、平均すると6日間になるそうです(「日本版総合的社会調査 2006年調査」大阪商業大学JGSSセンター)。
しかし、親の家にいても24時間一緒にいるわけではありません。1日に親と顔を合わせている時間は、平均4時間になるそうです(「平成23年 社会生活基本調査」総務省統計局)。
つまり、親と過ごす時間は、
6日間×4時間=24時間
1年で、たった1日分しかないのです。
では、1年に1日分しか会わない親との残り時間は、あとどれくらいなるのでしょうか。保田先生の方程式によりますと、
父親との場合:Xは父の年齢 1日 ✕ (X2)✕ 0.009 - X ✕ 1.97 + 109.3)
母親との場合:Yは母の年齢 1日 ✕ (Y2)✕ 0.009 - Y ✕ 2.09 + 121.1)
となります。
例えば、父親の年齢が74歳の場合、平均余命が約13年となり、親と過ごせる日数が13日となります(※平均寿命と平均余命は違います )。つまり、1年に1日分しか会わない親が、あと何年生きられるのかを計算すると、その年数(平均余命)が親と過ごせる残り日数になるというのです。
それでは、親から見た場合、わが子と生涯どれだけ一緒に過ごせるのでしょうか。その残り時間は、子どもの成長とともにどんどん減って行きます。
幼稚園に入る3歳になると、子どもと一緒に過ごす時間の18%がすでに終わります。
幼稚園を卒業するころには、一緒に過ごす時間のなんと3分の1が過ぎてしまうのです。(32%)
小学校を卒業するころには、一緒に過ごす時間は半分以上が過ぎているのです。(55%)
高校を卒業し、18歳で親元を離れる時点で、一緒に過ごす時間の7割以上が終わってしまうのです。(73%)
わが子と生涯で一緒に過ごす時間は、
母親の場合、約7年6か月
父親の場合、約3年4か月
しかないのです(「平成23年 社会生活基本調査」総務省統計局より計算)。
この数字を突きつけられると、驚くほど短いと感じる人が多いと思います。
この3連休は敬老の日があります。限られた家族の時間を考えて、これからでもいいので大切にしてください。
「ボーっと生きてんじゃねーよ!」