【有史以来の危機的状況、歯止め利かぬ地盤沈下の巻】
■1960年代、昭和35~44年は、高度成長期の中でも、
突出して発展した期間である。
国民総生産は、この10年間で4・5倍。
年平均16㌫強もの伸びであった。
外貨準備高は20億㌦弱から54億㌦超になった。
要するにキセキが起きたのである。
諸々の要素が複合的に寄与した結果であるのだが、
忘れてならないのは、情熱熱き官僚たちの存在だった。
秀才官僚にありがちな、打算と保身の技術が磨かれる前の時代である。
今となっては昔のことだが、文献を当たるにつれ、不安がよぎる。
この時代の人的、物的、金銭的な“蓄え”を取り崩しているうちに、
いたずらに時が流れ、先進国グループから遅れがちになったのである。
このまま官邸の隠然・陰湿な人事管理が続くならば、
気が付けば、税金をキチンと使え、新しい法の提案権と執行権を
実質的に執り行う官僚のなり手が、いつかいなくなるのではあるまいか。
「2年連続100兆円」の来年度予算案を閣議決定したという。
カネ詰まりも深刻だが、足元をよくよく見てみると、
これはニッポン株式会社の“人材倒産”あるいは“人災倒産”の兆しが
深刻になっていることを強く感じるのである。