【高段には義務がある
~ 碁のイロハを誰が手解きするのか】
小さな碁会
たとえば数人
あるいは10人台であれば
高段者がひとり、ふたりいれば
これがセンセイ役になります
碁の所作やルールから始まり
「碁盤全体を見ないといけません」
「石を持って考えてはなりません」
「待った・打ち直しは厳禁です」
などはもとより、棋力アップのコツまで
「訊かれたら答える役目」を担います
お手本を示す役目も負わされます
五段以上にはそれが〝義務〟であり
暗黙の了解事項、不文律であります
大規模碁会
たとえば五十~百人であれば
実は、ここがあいまいになります
都会と田舎の人間関係の濃淡のごとし
センセイから細かなことを聞く機会も少なく
初学者や級位者は正しい知識が身に付かず
「覚えるべきこと」を知らないまま過ごします
整地ができない人が多いのも
驚くべきことではありますが
大規模碁会ならではの現象です
小さな碁会は級位者も含め
全員がスラスラできています
会が正しい方向に向かうには
誰かが、ここに踏み込むことが
どうしても必要となります
だからこそ
リーダー役には
旗を高く掲げることが
なにより期待される
というワケです
高段者は、
誰の手も借りず、自分ひとりで
今の棋力になったのではありません
一段一段昇る過程において
数多くの賞金賞品を手にしています
(今の状態では優勝賞品は不要と思います)
「五段以上」の名札は
だてではありません
本人の努力・苦行は認めますが
周りの支えのおかげをもって
有形無形の「いい思い」を
今現在しているのです
それを着けた以上は
お返しする気持ちがなくて
なんとしますか?