あなたは、
初段になれる人ですか?
だったら、この先は
読まずとも構いません
初段になれない人ですか?
だったら、しばらく
お付き合いください
このシリーズは
序盤から終盤まで
計6パターン
局面ごとに取り上げます
1)布石
2)定石
3)連絡
4)死活
5)ヨセ
今回は、1)布石です
最後までお付き合いください
【布石編・初段になれるヒトの1手】
▲
布石は、黒番が主導します
「高い中国流」(右上スミの星→右下スミ小目→右辺星下)
勢力を築くスピードが速いシステム布石です
しかも、上辺の星にも黒石があります
〝右半球一帯〟の黒石の数と、
白石の数を数えてみてください
「黒っぽい」ことが分かりますね?
白の△印のケイマガカリは
敵陣に単騎突入した
と受け止め
これをイジメます
碁盤を、地球に見立てて
大きく俯瞰しましょう
高段者は、全体と部分の調和で考えます
級位者は、部分だけで必死になります
▲
黒1~黒5となれば、
右上から上辺一帯が確定地になります
しかも右辺星にも黒1子があります
白は高さがあっても
まだ幅がなく
まだ一眼もありません
弱石のままで不安定です
黒は上辺の確定地と
右辺から右下隅に
大きな地が見込め
どちらも打ったことになります
ムリに取りに行こうとせず
脅かしながら、流れのなかで
トクをしましょう
【布石編・初段になれないヒトの1手】
▲
黒1の一間トビで受けて澄ましているようでは
この先、いつまで経っても「級位者」のまま
ひとことでいえば、大甘です
次の図で、それが明らかになります
▲
白2~白4となり、基本定石で
白はくつろいでしまいました
黒石が圧倒的に多い〝右半球〟
簡単に白に楽をさせるようでは
まったく碁になっていません
黒△の1子が何のためにいるのか
気魄のカケラもなく
無意味な展開です
形ばかりに気をとられ
「定石を打てばいい」
というワケじゃありません
こういう甘い手ばかり
打っているようでは
いけません
◇
プロは序盤で考えるし
アマは序盤など石を転がしておけばよい
と考えます――
これは本因坊タイトルを持ったまま
関西棋院を創設した〝火の玉宇太郎〟こと
昭和の巨星・橋本宇太郎九段のことばです
かみ締めたいものです