囲碁漂流の記

週末にリアル対局を愉しむアマ有段者が、さまざまな話題を提供します。初二段・上級向け即効上達法あり、懐古趣味の諸事雑観あり

京都の冬日和3

2021年11月11日 | インドア・アウトドアにて

 

【天空の夢 はるか の巻】

 

 

十七世紀に現われた

第四世本因坊道策名人は

モンスターであった

 

他の家元の高手たち全てが

ことごとく打ち込まれ

「先」はおろか

「二子」でも勝てるかどうか

という有り様だった

 

一方、渋川春海は

家元四家(碁を家業とする家)

の一つである安井家に生まれた

神童とよばれるほどの才能を発揮し

家職の囲碁は「七段上手」に達した

「二世安井算哲」は京都の人

のちに渋川と改姓する

 

御城碁(将軍御前での対局)では

道策と何度か打っている

碁盤の天空にあたる初手・天元を試すが

圧倒的技量の道策には通じなかった

 

算哲は「囲碁」「神道」「天文暦学」に優れ

会津藩主・保科正之や水戸藩主・水戸光圀ら

幕府高官に招かれて

新しい暦を作成する「改暦」に着手

幕府天文方にも任じられ、

有名な天文学者「渋川春海」として

現代の教科書に載っている

 

碁盤で表現しきれなかった天空の夢は

科学の世界にて昇華したのである

 

 

 

▼おまけ1

第1着を碁盤の中心「天元」に置いた有名局の棋譜

「天元(宇宙の中心)こそ盤上の要点に違いない」

と算哲は考えたが、実力の違いから道策には通用せず

この碁も「白番9目勝ち」で終わった

算哲はその後、天文学者の道に進む

捨てる神あれば拾う神あり

 

 

▼おまけ2

日本で初めてラーメンを食べたのは

新しもの好きの水戸光圀公だったらしい

碁をたしなんだかどうかは不知ですが――

左京区一乗寺のラーメン激戦地で

 

 

 

 

 



最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。