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【堺町通を北にゆく「 ♪ 格子戸をくぐり抜け~」の巻】
■一車線の小径をゆく。
小さくて、気が付かないで、
つい通り過ぎてしまう史跡が点在している。
■「夕顔之墳」の石碑を見つけた。
「もしや?」と思い、南に引き返す。
すると「鉄輪跡」の碑があった。
碑の横に格子戸があり、路地が西に延びている。
井戸は奥にあるようだ。
「ごめんなすって」とつぶやいて、格子戸をガラガラと開ける。
10㍍ほど進むと、やはり井戸があった。
奥には、絶縁のご利益のある小さな神社がある。
■「堺町通」は秀吉が造った道。
西が街中、東が荒野だったので、
「境目となる道」という意味で「堺」と呼んだとか。
「堺」は、境界を表す「界」の異体字。
古文書ではしばしば同義の「境」とも混用されていた。
大坂の「堺」も、
古文書ではしばしば同義の「境」とも混用されていた。
大坂の「堺」も、
かつて摂津・河内・和泉の3国の「境」であったことに由来する。
まこと魔界の古都に相応しい通り名ではあるまいか。
夕顔 源氏物語に出てくる美女。「雨夜の品定め」で「常夏(ナデシコの古名)の女」といわれる。三位中将の娘で、頭中将の側室だった。光源氏の愛人となるも、互いに素性を明かさぬまま、物の怪に取り憑かれ若死にする。 「佳人薄命」を絵に描いたような最期。儚げながら可憐で朗らかな気質で、死後も、光源氏は面影を追う。「心あてにそれかとぞ見る白露の光そへたる夕顔の花」
2019年11月9日(土) 京都てくてくの記