囲碁漂流の記

週末にリアル対局を愉しむアマ有段者が、さまざまな話題を提供します。初二段・上級向け即効上達法あり、懐古趣味の諸事雑観あり

政治の心得㋑

2021年09月19日 | ●○●○雑観の森

 

【享保の改革を支えた名奉行のはなし の巻】

 

 

徳川八代将軍吉宗の頃の名奉行

大岡越前守忠相(ただすけ)は当時、

板倉周防守重宗とならぶ名裁判官だった。

 

板倉は京都所司代、

大岡は江戸町奉行、

という違いはあったが、

ともに権力に屈することなく、

公平無視を信条にした名裁判で

人々から尊敬された。

 

大岡の江戸町奉行は、

民政をつかさどる役人だから

裁判ばかりでなく、

町触れなど、行政上の責任もあったが、

町方の担当だから

武家屋敷や寺社領地は

彼の管轄外だった。

 

しかし、

当時の江戸の町方支配に属する

およそ二割の地域は、

絶大な権力をもっていたことは

確かだった。

 

ある時、

彼の一族の大岡出雲守忠光が

政治の心得を彼に尋ねた。

 

それに対し、

大岡忠相は

次のように答えたという。

 

「すべて、

人に対しても、

世に対しても、

万端合わせてのお計りこそ

然(しか)るべし。

しかし、実を以(もつ)て

合わせた給うこと、

肝要の心得なり」

 

一対一の場合でも、

また、世間一般に対する時にも、

決して一面のみで判断しよう

としてはならない。

物ごとは全て総合的に見、

そして判断するのが肝要である。

しかも、その総合的というのも、

形の上だけのそれではなく、

事実、本心からそうあらねばならぬ

という意味である。


        (出典:耳袋)

 

 

   *  *  *

 


「ワクチン一本足打法」の一本調子が不調で

「政策設計と執行の稚拙」が明らかになり

あっけなく、権力の座を投げ出した。

 

こう毎年、猫の目の交代劇があっては

なるものも、なんともならぬ、としたもの。

蛸壺の中の選択肢しかないのか、この国は。

秋風に違和感がまじる、きょうこのごろ――。

 

そして蜘蛛の糸のごとき

コップの中の小粒同士の争い。

脱「安倍・菅」を問う声はどこに。

「説明しない政治は続く」のであろうか。

 

 

 



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