【右上スミの両ガカリ、左下は二段バネの巻】
■白34まで。黒は白3子を取って収まり、白も生きました。これで互いに不満のない分かれのようです。アルファ碁はこの定石が頻繁に出てきます。
■今度は左下スミに注目してください。最近の大流行定石が出てきました。星下にツケ、三々にオサえられたら、二段バネ。この後の手順を覚えましょう。黒からケイマにスベリ(39の地点)、二間開き(9の十七)する従来の基本定石はほぼ打たれなくなりました、
■黒の二段バネに、白38と一旦はアテて分断する一手。黒39にツギ、白40と上をツギます。(40で「5の十六」と出るのは少し損のようです。スミレちゃんの碁で出てきましたね)
■次の黒41は、38の下「5の十八」が多く打たれています。この後は右辺を大事にするか、スミで生きるか。前者が多いようです。実戦も「5の十八」でした。
■白42は「2の十七」あるいは「6の十六」もありますが、実戦は右辺「18の十五」からカカリました。白は右下スミを先手で切り上げ、白50と押えました。実は右下スミの白は死ぬことになります。
■この碁は305手完、黒中押勝ち。中盤150手あたりで、白はもうダメな形勢。ゼロの上手すぎる攻めに、マスターはボロボロになります。日中韓トッププロが全く勝てなかったマルターが、ゼロには歯が立ちません。
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■この時期の「世界レーティング」はバク・ジョンファン、カケツ、井山クラスで3600前後。プロ最底辺で2500前後。アマ五段が2000ほどです。
■これに対し、アルファ碁進化系が5000前後(ゼロ5185、マスター4858)です。世界トップ棋士が幾つか石を置かないと打てないほどの棋力差になっています。
■AI対プロの互先は、最初の50手でAIがリード、100手で差が広がり、ほとんどが200手までに中押し勝ちとなります。
■AI対AIの自己対局では、序盤から中盤で戦いの碁で互角のまま進み、最後はシノギ勝負となります。
▼参考までに右上スミの従来定石を掲載しておきます。白22のハネダシはダメとしたものでしたが……。定石1は「実利」と「外勢」の分かれ。定石2もよく打たれます。今でも悪いわけではないようです。ケイマガカリした石を元に10目ほどの実利を得て収まるのですが、AI多用定石は中央にアタマが出かかっている点が違うのでしょうか。比較検討してください。
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<了>