またまた徳川時代の話。
お江戸も夏になると
さして大した娯楽もなく
自然に涼みかたがた
両国を中心に
どこからともなく
人が集まってくる。
隅田川の水も見えないくらい
おびただしい納涼船が浮かべられ
その間を、切りウリ、真桑瓜、梨など
を積んだ商いの船が漕ぎ回り
また、操り人形、新内節、義太夫
八人芸、影絵、写し絵といった
芸人たちが屋台船に乗って
賑やかに騒ぎ立て
上がってみたり、下がったり。
これが起源となり
いつしか街中をウロつく
門ヅケ芸人を「流し」と
呼ぶようになった。
現代にあっては
客を求めてさすらうタクシーを
「流し」と呼ぶのは
このへんからである。
◇
2年余り前、このブログを開設するとき
さて名前をどうしようか、と考えた。
全国あちこちに居所を変え、
日常にあっては路地歩きを好む。
これに「放浪」の2字が浮かんだが
いや、流されているから「漂流」か。
それに数年来、凝っている「囲碁」を
くっつけたら、面白かろう、と。
囲碁と関係のない話ばかりになることもあり
看板に偽りありではあるが
たいした看板でもあるまいし
ここはご勘弁いただくことにしておく。
つれづれ書きっぱなしの記、なのである。
▲この方「平成のおんなギター流し」。遠くで暮らす我が娘はベースの人だが
背格好から雰囲気が似ているので、妻とわたしはずっと応援しているのである