賀茂川の水
双六の賽(すごろくのさい)
山法師
これぞ
わが心にかなはぬもの
「平家物語」巻一
院政をしき、治天の君として
絶大な権力をふるった白河院の
「天下の三不如意説」として有名である。
賀茂川は中古中世を通じ
たびたび氾濫して人を悩ませ
朝廷は防鴨河使(ぼうがし)を任じ
治水に当たらせたが
容易に効果があがらなかった。
サイコロの目は思うように出ないが
ここでは禁令を出しても
一向に下火にならない
博奕の流行をいった。
叡山の衆徒の
神輿を陣頭に振り上げての強訴は
非を理として難題を突き付け
手の打ちようがなかった。
なんでも思うままであった白河院の
絶大な権力を象徴するものとして
また平安末期の混乱した社会情勢を物語るものとして
さまざまな解釈がある。
◇
権力とは何か。
人のいやがることをやらせるチカラと
わたしは見ている。
一国の総理なら、ちっちゃいマスクを配るため
他人のカネ(税金)を何百億円を使おうと
罰を受けることはない。(✕は受けるが)
企業社会の管理職なら人事権を背景にした
業務命令を出すこともできる。
翻って
趣味の会の世話人はどうか、といえば
素っ頓狂なトンチンカンな意見であっても
一応、聞くふりをせねばならぬし
無視して進めるワケにもいかない。
クビにする権限すらない。
ストレスがたまるが
自分は自分のやるべきことをやるだけ
と思い直しては
なんとかかんとかやっている。
ちなみに、ストレスは免疫力を低下させる。
それでもなお、我先にのワクチン予約の風潮に
違和感を持ち、手付かずである。
「人を押しのけてまで……」
カッコつけている場合ではないが
心配な先輩たち、どうぞ お先に――
院政(いんせい) 天皇が皇位を後継者に譲って上皇(太上天皇)となり、政務を引き続き天皇に代わり直接行って、実権を持ち続ける政治を指す。摂関政治が衰えた平安時代末期から武家政治が始まる鎌倉時代までによくみられた。天皇が皇位を譲ると上皇となり、上皇が出家すると法皇となるが、上皇は「院」とも呼ばれた。現代では、社長・会長をやめても「取締役相談役」という珍妙な役名で実権を手放さない例もあり、そのなかには害毒となって企業を私物化するケースも散見される。ゾンビである。電力会社でのスキャンダルなど枚挙にいとまがない。