囲碁漂流の記

週末にリアル対局を愉しむアマ有段者が、さまざまな話題を提供します。初二段・上級向け即効上達法あり、懐古趣味の諸事雑観あり

本当の仕合せ ㊤

2020年05月10日 | ●○●○雑観の森

二宮尊徳の場合 の巻】

 

「一人の楽しみが

他人の苦痛となる時は片楽にして

双方がその楽しみをともにする時

始めて真楽を生ずる。

たとへば物を売買するに

買手は買ひて楽しみ

売手は売りて楽しむ

が如き類をさしていふ」

 

 

■昭和の頃、小学生だった世代には

おなじみの二宮金次郎像だが、

今は校庭に残っている方が珍しい。


真楽(しんらく)という言葉は

この江戸末期の道徳家が用いたものである。

自分を楽しむというだけでは十分ではない。

自分も相手になる人も、

お互いに潤い、たのしむ

ことでなくては何とする

の意である。

 

疫病現場で奮闘する医療関係の人たち。

対策に携わっている政治行政の人たち、

自粛続きで困難に直面している人たち、

通勤で行き交う勤めの人たち、

リモートワークの人たち、

ネット碁やお勉強を楽しんでいる人たち、

わたしも概ね「おうち時間」の人。

 

世情が陰ると、他人の物言いと所作への眼は

鋭く、厳しく、明瞭になってくる。

どの世界を見渡しても、

自分本位の人か、自分のことを後にする人か、

不思議によく分かるようになるのである。

 

 

 

 

 

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