囲碁漂流の記

週末にリアル対局を愉しむアマ有段者が、さまざまな話題を提供します。初二段・上級向け即効上達法あり、懐古趣味の諸事雑観あり

名人直伝のコツ

2021年05月12日 | ●○●○雑観の森

 

鎌倉時代の仏像彫刻師として著名な

名工・運慶にこのような口伝がある。

「仏像をつくるとき

まず耳と鼻を大きめにする。

その理由は、後で小さく見えるとき

大きくするのが難しいからである。

また、口と目は小さめにしておく。

でないと、もしも

後で小さくしたくても

できないからである」

 


        ◇

 


囲碁は最後に陣地の大きい方が勝ちである

と、初心者の多くは習う。

「最後に」というのがミソである。

 

最初は、隅が大きい、辺が大きい、

といわれるが、

「陣地」にこだわり過ぎて

大勢を失っていくもの多し。

 


どちらかといえば中央志向のわたしは

盤面に大きな三角形、さらに四角形を作る

ことをイメージしている。

単純な発想で、面積が大きくなるからだ。

 


しかし大きすぎれば荒らされるし

小さければ縮こまって小利に甘んじる。

そのバランスというか

度合いというのが難しい。

 


同じ棋力の相手とばかり打っていると

なかなか上達しないのは

どんな分野にも共通する。

コツとは「体得するもの」である。

 

 

        ◇

 

 

コツとは、骨のこと。

骨は人体を構成する大事な部位である。

シラギの古代にあっては

氏族尊卑の階級をあらわす称呼であり

和訳してコツとなったといわれる。

 

重要視されていることから転じ

「てごころ」

「ぐあい」

「つかみどころ」

「呼吸」

「急所」

を指すようになった。

 

同様に

「骨格が大切だ」

「骨相が良い」

という使い方も生まれたのである。

 

 

 



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